nana.

tetero

第1話


・・・・いつも通りのある日のこと、君は突然立ち上がりいった今夜星を見に行こう


と、君は息を吐くように優しく口ずさんだ


「それいつも歌ってるけど、なんて曲なの?」と僕は君にたずねた。



「ん?これね、supercellスーパーセルってバンドの 【君が知らない物語】って曲なんだよ、いい曲だからプール君も聞いてみて」ナナと嬉しそうに答えた。


「へぇ、初めて聞いたバンドだなぁ、探して聞いてみるよ」


俺は念願ねんがんの自分のパソコンを手に入れた。


当時、そんなに高いものは買えなかったが自由自在にみんなの目を気にせず自分の部屋でインターネットできる事がとても嬉しかった。それと、オンラインゲームで遊んでいる友人とSkypeスカイプっていう無料電話ソフトでずっと電話が出来るということを知ってSkypeを自分のパソコンにインストールした。


俺はそのSkypeの魅力みりょくに釣られて他の人とも話してみたいと思った。Skypeで検索すると、スカイプチャンネルというサイトがあって、そこで掲示板の募集しているIDアイディーと通話ができるみたいだ、そこで見た(女子一人、男子2名で声劇せいげきやってます、参加者募集中)という書き込みをみて気になった俺は、その書き込みのIDをSkypeに入力してその書き込みをしていた人にコンタクトを取ってみた



男 『参加希望ですか』


プール はい


男 ではグループに追加しますので少々お待ちください。


そこには男子2人と女子一人でグループ通話があった


男 初めまして、なんて呼べばいいのかな、プール君で大丈夫かな?


プール プールでお願いします。


ナナ プール君よろしく~、私のことはナナって呼んで


・・・・初めてのSkypeに初めての人たちとの通話

緊張で俺の心は張り裂けてしましそうになっていた。



「【声劇せいげき】はやったことありますか?」と男はいう。


プール「ないです。声劇というのも正直わからなくて、気になっ

て声をかけてみました。」

昔からラジオとか、演劇とかにとても興味があった。だけど、自分とは住む世界の違う物だと疎遠そえんなものと思っていた。俺は度胸どきょうが無くて、それなのに放送とか劇とかで表舞台おもてぶたいで自分の姿しゅうたいを晒すなんて考えるだけで嘔吐おうとが出そうになる。今にも吐きそうなくらい緊張している。だけどやりたい気持ちもあった。


「ほう、【声劇】と言うのは台本をよんで、やくを演じることをいうんだよ。」

「なるほど、アニメみたいな感じですね。」


「そそ、絵のないアニメ漫画劇みたいな認識で大丈夫だと思う。。」

こいつ大丈夫かなー、、という不安な口調で小さく男をそう告げた。

「とりあえずプール君、このサイトにアクセスしてみて」


チャットに書いてあるURLたからばこを開く

そうするといろんな声劇の台本があった、こういう台本置き場みたいな隙間産業すきまさんぎょう的なサイトがあることをはじめて知った。どうやらネット大海には結構いろんな面白いサイトおとしものがあるようだ。


「とりあえず今日は男3人に女性一人だから、一番上の台本でいいか」


「じゃあプール君はこの主人公のスバル君を演じてみてください」

男は慣れた手つきで進行を進めていった。どうやら結構声劇をやっているような感じだった。


「初めてなんでいろいろおぼつかないと思いますがよろしくおねがいします。」俺は不安そうにそう告げた。内心はとても緊張していた。頭が真っ白ホワイトノイズになるかと思うほど、なんなら、女の子が聴いている前で下手を打ってはいけない、俺は映画とか結構好きだから。

そういう風に真似して言えばいいんだ。最初だけど俺はとても上手くできるんだ。みんなをびっくりさせるんだって念じ込めた。



ナナと男は口をそろえて言った。



他のみんなは慣れているようにスラスラと役を演じている

圧倒されている間にとうとう自分の番がやってきた・・・・


すばる『俺は、アスカのためにも、こんなところであきらめてはいけない・・・・・』


緊張してめちゃくちゃ声が裏返っていた、やってみると声に噛まないことに集中していて台詞せりふ感情の入れ方いのちのふきこみかたがよくわからなかった。



そう、お手本てほんなどないのだから。答えなんてないのが辛かった。。。



「ど・・・・どうでした?」

おそおそたずねてみた。満足まんぞくのいっていない出来なのはわかっている。だけど、初めての経験に対しては人はみな褒めてほしいのだ。俺は内心、その答えを求めていた。

「みんなプール君、初めてにしてはうまいほうだと思うよね?」


嬉しかった。お世辞だとしても褒められたら嬉しいもんだ。


「うんうん、上手だったよ、初めての声劇はどうだった?」彼女は聞いてきて

「楽しかったです」ととっさに答えた。


「それはよかった。声劇出来るメンバーが増えるのはとても嬉しい」ととても嬉しそうな声で喜んでいて「結構かっこいい声してたから主人公のすばる君の役にしてみたんだよー」とまるで自分の言ってほしかった事を見透かされてるような言葉がストレートに自分にひびいた。現実では、女性と話す機会も少なくて、こう女性からウキウキしながら褒められることも少なかったせいか、というか女性というだけでナナのことが好きになっていた。だけど、これは姿が見えないおかげで好印象を得ているかも知れないという疑心暗鬼ぎしんあんきにもおちいった。お互いに姿が見えないのでそうなるのも仕方がないが、声だけ聴いてちょっとギャルっぽい口調の女性に優しくされると男の人は勝手に想像で可愛い子虚像を実像と勘違いをする。


「ありがとうございます。皆様がお上手で俺は足引っ張って申し訳なかったです。」とりあえず丁寧に、好印象。を損なわないようにそういう気持ちも込めて低姿勢で行く。


それからみんなでしばらくたわいもない会話をした。



「じゃあ俺は落ちるわ。」

男は何かを思い出したかのようにそう告げた。パソコンの右下の時計を見てみると22時を過ぎていた。19時から入ってもう3時間ぐらいは経過していた。体感時間的には1時間くらいなのだと思ったが、体感時計ボディクロックはどうやら正確ではないようだ。クレイジー


「俺もー」と川の流れに沿うようにもう一人もそう答えた。

「ナナは可愛い声してるけど寝落ちのときのいびきものすごいからな(笑)」と男は何かを期待させるような捨て台詞を吐いた。

「もー(笑)」ナナは冗談のような声で怒った素振りを見せる。

それから男2人が退室して、女の人ナナと二人きりになった。

女の子と二人きりツーショットだ。ものすごく緊張する........





それから少し沈黙が続いて、ナナが口を開いた。




「ここじゃ、誰かが戻ってくるかもしれないから」










個人通話サシで話さない?」


俺は胸に矢と脳裏に電撃が走った。サンダーハートブロークン・アロー

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