第9話

俺は振られた。


絶対うまくいくと思っていた。


電話では、彼の事を忘れた。とか言っていたのに忘れられないと言われたのだ。


巧妙な罠だ。俺は親父以外の人間にも騙された。俺に幸せになれる権利なんて元々無かったのだ。


時折光をちらつかせる人生は、俺を絶望させるために作られていた。

また逆戻りだ。


さやかは俺に好意を抱いている素振りを見せて元彼を嫉妬させるために今日会ったんだ。きっとそうだ。俺は利用された。


こんな小娘に騙される俺は情けないし、弱っていた俺が悪い。


こいつが憎い。親父と同じ種族の人間だ。


やっと誰かに認められたと思ったのに、

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