第2話

「「大体、集まっていると思うから説明するけど、これは夢の世界のようで夢の世界ではありません!君たちは事情があって、自殺しようとしたり、自殺しようとしたり、自殺しようとした人達だと思うけど、そんな君たちが生きるのって大変なんだな〜と思えるし、自分の命、大事にしようと思えるようにするために、これから化物退治をしてもらう事になります!」」


 えーっと、えーっと、これはきっと夢なのよね?


「「真っ黒の化け物は『ほろび』と言うのですが、これを倒すために君たちが集められたわけです。ここはイメージの世界になりますので、敵を倒す時には自分なりにイメージをする必要があります!例えば、こう!」」


 野球場に置かれた演壇でマイクを持っていたピエロが片手を頭上に掲げると、空中からロケットランチャーが現れて、ピエロは上空に向かってロケットミサイルを発射させつつ、

「「こういう武器を出すのは上級者になるんだけど、君らも色々とゲームはやって来ているわけでしょう?イメージで出す事が出来るわけだから!レッツトライ!頑張って〜!」」

なんてことを言っている。


「「精神世界って言っているけれど、ここで死んだら現実世界でも死んじゃうから気をつけて!あと、精神世界だったら殺されても痛くなさそうなんて考えたら大馬鹿だよ〜!普通に痛いし、現実と同じく大変な事になるから、そこは気をつけてね〜!」」


 ピエロの言葉に周囲がざわつきはじめている。


「「あとは、この場でバディを組む事を推奨しておくよ!ソロなんかで活動したら、まず今日のうちに死んじゃう事になっちゃうからね!バディは胸の穴の周りの色と同系色か、対応色の人としか組めない事になっているから気をつけて〜!」」


 ピエロが言うには、胸の穴の周りが赤(情熱的・行動力あり)だったら、バディを組む相手は同色か青(冷静・沈着)という事になる。

もしも橙(元気・お調子者)だったら相手は緑(おだやか・平和主義)、ピンク(華やか・優しい)だったら相手は紫(ミステリアス)、白(清廉潔白・理想が高い)だったら相手は黒(気難し屋・頑固)というように、8色だったら二組に分かれる事になるんだけど、灰色(あいまい)の場合だけ、バディを組むのは同色だけっていう風に決まっているのですって!


 私の胸の周りの色、灰色!もしかして詰んでいる?


「白間さん!僕とバディを!ってああ・・灰色か!」

「咲良さん僕とバディを組んでください!って嘘でしょう!灰色!」


 沢山の人が私に声をかけて来てくれたんだけど、色が合わない、と言うか、灰色が私以外にいない!


「色違いなんて関係ありません!咲良さん!僕とバディを!」

「色違いとバディを組んだら、おそらくその日のうちに死ぬ事になるから気をつけろよー!」


 ピエロの言葉で、私の近くに寄ってくる人間がゼロになってしまった。


 ポイント制なのか何なのか分からないけれど、

「倒せば倒すほど、さっさとこの世界からさよなら出来るって事だろう?」

なんて言いながら、みんな野球場の外へと出て行ってしまうのを見送りながら、

「そういうシステムじゃないんだけどね〜」

と、ピエロが言っているのが気にかかる。



「あの!これはいったいどういう事になっているんですか?」


 思い切って声をかけようとすると、説明役のピエロの姿が消えるようにしていなくなり、私が愕然としながら野球場の中で立ち尽くしていると、

「白間咲良発見―!」

という声が後からかかって来たのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る