興味深く読ませていただきました

 トップページの注目の作品で目に入り、経済に関心のあるほうなので読んでみました。わくわくと考えさせられるエッセイでした!
 経済に疎い読者さんはコメント欄のやりとりも見ながら読むことをお勧めします♪


・思ったこと
 日本は利益をあげているにも関わらずそれが賃金上昇につながらなかったという点、少子化による労働人口の穴埋めを高齢者や制限撤廃で行っていると言う点、株式市場にのみ円が注入されているという点は同意しました!
 本来保守的な与党政権が女性の社会進出をもてはやしているのも、人権問題だけではなく、労働人口の穴埋めという側面があるような気がします😮

 市場に流通する通貨量を増やすべきという主張ですが、これは抽象的かと。2000年には60兆円程度だった現金流通高は2016年ごろに100兆円に達し、2020年現在では120兆円規模になっているそうです。日銀はかなり長い間金融緩和を行っていますがあまり成果にはつながりませんでした。

 現代日本の貧困の特徴として、生活苦・非正規雇用増大・正規雇用者の処遇低下・富裕層の高収益と労働者の低賃金等が挙げられます。
 厚生労働省「労働経済白書」によると、日本は労働生産性が上がっているにも関わらず雇用者報酬が低迷しています(欧州、米国は雇用者報酬も上がってます)。先進国の中で日本だけが賃金低下傾向にあるようです。
 株価上昇を政策に打ち立てた結果、会社の利益が株主配当に充当され、賃金上昇に繋がらなかったのではないかと考えています。(株価・株主資本主義)
 日本取引所グループ「株式分布状況調査」によると、95年から2015年まで20年間の日本の株式市場において、外国法人の持ち株比率が29.8%、信託銀行の株式保有比率が18.8%増加したそうです。労働者が稼いだお金が正当に還元されず、富裕層の投資や大企業のROE引き上げのための自社株買いとして使われているわけですね。中流層の経済力が落ちれば消費も停滞し、経済も縮小します。

 また、アルバイト可能年齢の引き下げを主張されていますが、こちらは疑問です。まあ15歳未満の労働は国際児童労働条約に引っかかるらしいのでアウトなんですが…
 この場合低年齢で働かなければならないのは主に貧困層〜中流家庭の子供で、教育機会を奪われてさらなる階級の固定化を生む可能性があると思います。大学に行かなければ就職先がないという教育費過剰の現状を見直した上で、それこそ政府が教育資金を資金注入すべきだと思います。
 日本の社会保障は優秀ですが、OECDなどの対GDP比家庭向け公的支出割合や、国立社会保障人口問題研究所のデータによる社会保障財源負担割合をみてみると、先進国の中では福祉に十分なお金がまわっていなかったことがわかります。社会保障削減はさらなる貧困と格差につながるのではないか?と考えます。
 多子化すべきだという考えには同意ですが、「子どもを産んだほうが家計が楽になる」という考えを推奨するのは前時代的に感じました。


 考えるきっかけになりました!ありがとうございました。