閑話9 青葉昴・誕生日LINE①【にのに】
六月二十日。零時過ぎにて。
青葉
『おい手下共、俺の誕生日だ。祝え。夜中だろうが関係ねぇ。起きて俺を祝え』
なぎ
『最悪な男過ぎて笑う』
青葉
『まぁお前は絶対起きてるだろうな。さぁ俺を祝え』
なぎ
『乙』
青葉
『乙ってなに???? 誕生日の人に乙って言うヤツ初めて見たんだけど??』
なぎ
『てかあんた、晴香が起きちゃったらどうするの。許さないよ』
青葉
『蓮見護衛軍怖い』
晴香
『大丈夫! 今日は起きてるから!』
青葉
『ふっ。やはり蓮見は俺の誕生日を認識していたか。やるじゃないか』
晴香
『え、あ。ドラマ見てた(笑)』
青葉
『?????』
なぎ
『笑った』
なぎ
『ふっ、やはり蓮見は俺の誕生日を認識していたか』
青葉
『コピペやめて!』
晴香
『でもそっか。六月だったもんね青葉くん。おめでと!』
青葉
『ありがとう。ドラマのくだりがなければ泣いて喜んでた』
朝陽司
『おー。そうかそうか。今日昴の誕生日だったよな。おめでとさん』
青葉
『( ;∀;)』
なぎ
『あんた目四つに分裂してるけど大丈夫?』
青葉
『これ涙ね???』
月ノ瀬玲
『アンタたち夜中まで元気ね』
晴香
『あ、玲ちゃんも起きてた! ごめんね? もしかして起こしちゃった?』
月ノ瀬玲
『ううん、大丈夫よ。私結構寝るの遅いのよね』
青葉
『まぁ遅くまで俺のこと考えてるもんな』
月ノ瀬玲
『ごめん一ミリも考えてないわ』
青葉
『(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)』
朝陽司
『でもそっかぁ。じゃあいち早く十七歳ってわけか昴』
青葉
『そう!!!! 年上!!! お前ら敬語使え!』
月ノ瀬玲
『こんなに誕生日を祝いたくないヤツって他にいる?』
青葉
『( ・´ー・`)ドヤァ』
なぎ
『コイツ顔文字に味しめてる』
月ノ瀬玲
『はぁ……なんか癪だけど。おめでと』
青葉
『ありがとう!! お礼にお前の誕生日は盛大に祝ってやるぜ』
晴香
『あ、たしかに。玲ちゃんって誕生日いつなの?』
月ノ瀬玲
『私? 私は十月十日』
朝陽司
『へぇ、覚えやすいね』
晴香
『ほんとにね!』
なぎ
『じゃあもう青葉が一番誕生日早いんだね』
青葉
『そうだぞ? 敬語使え?』
朝陽司
『これからもよろしくお願いします』
晴香
『これからも仲良くしてもらえると嬉しいです』
月ノ瀬玲
『改めまして、この度は誠におめでとうございます』
青葉
『やめて! 実際に使われると一気に距離を感じるから許してっ!』
なぎ
『ぷぷ』
青葉
『お前は一生敬語使え』
なぎ
『は?』
青葉
『なんでもないですむしろ私が敬語使います申し訳ありませんでした』
なぎ
『よろしい』
月ノ瀬玲
『仲良し』
なぎ
『月ノ瀬さん?』
月ノ瀬玲
『なんでもないわよ?』
朝陽司
『仲良し』
なぎ
『朝陽君??』
朝陽司
『なんでもないぞ?』
晴香
『あはは……ま、まぁでも! ほんとにおめでと青葉くん! まだまだよろしくね!』
朝陽司
『おめ!』
月ノ瀬玲
『おめでとう』
なぎ
『乙』
青葉
『お前らいいヤツだなぁ! 渚以外!』
× × ×
ったく……渚のヤツは相変わらずだな……。
にしても、結局みんな最後はおめでとうって言ってくれるんだよなぁ……いいヤツらだぜ。
もちろん渚以外。
さーてと。
適当にゲームして寝るかな。
──ん?
ナイドラの通知?
こんな時間に?
「えっと……なになに? 『フレンドのnagiからプレゼントが届きました』……?」
nagiって渚のプレイヤーネームだよな?
ナイドラはプレイヤー間でアイテムのやり取りを行うことができる。
一部できないアイテムも存在しているが……よほどのものではない限り、基本的にやり取りオッケーになっている。
数とかいろいろ制限はあるけれど、なかなか便利な機能だ。
で、今渚からプレゼントが来たわけだが……。
ハテナマークを浮かべながらナイドラを起動する。
すると、とあるアイテムが贈られてきたことに加えて、メッセージが添えられていた。
「えっ。このアイテム俺が欲しかったレア素材じゃん……!」
そして、メッセージには──
『誕生日おめ。これからもよろしく』。
実に渚らしい……簡潔なメッセージだった。
「アイツ……乙だのなんだの言ってきやがったのに……最後にこれかい」
本当に素直じゃないヤツだ。
俺はお礼のメッセージを打ち込み始める。
流石にひとこと言っておいてやろう。
「『別に感謝してあげてもいいんだからね!?』……っと。俺可愛いなぁ」
まぁ……でも。
サンキューな、渚。
──あ。
しょうもない薬草でも一緒に送ってやろっと。
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