猫の王様とホズミの暗号

ねこ沢ふたよ

第1話 ニャッタールダ十四世の憂鬱

 ニャニャンデルの国王、ニャッタールダ十四世は、手元の巻物を見てため息をつく。


『にくきゅうをはずし、ねこのひげをくわえよ』

『やにうえのくざかな、げしきゅ、れいじの、かうがしめすばしょ』


 何度見ても分からない言葉の羅列。


「分からないのだよ。ホズミ……。お前が、朕に何を言いたかったのか……」


 誰もいない部屋。ニャッタールダ十四世が一人で座るのは、ホズミのよく座っていた椅子。

 ニャッタールダ十四世は、一人で、かつて楽しかった頃を思い出して泣いていた。


「ホズミ……、一緒に冒険しようと約束したのに。どうして一人で行ってしまったのか」


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