楓の宝物

@hagemu-hagemu

第1話

村雛楓は、小さな頃からカワイイ宝物を集めるのが好きで、そのまんま年を取り53歳に成った。


20代で1度結婚したが、その相手は楓の宝物には成らなかった。                                                            2023年1月25日。今日は、良い事があった!


朝、目玉焼きが今までで1番上手く出来たのだ!「イエーイ!ヤッタア~上手く出来たあ!」見た目もソースを掛けた味もほんと自分史上最高だった!

「嬉しいなあ~みーちゃんに報告しなきゃ!」


楓、スマホを見付けみーちゃんに○ineを送る。

「見て~目玉焼きが今までで1番上手に出来たの!」                                          するとすぐ返信が来た。


「ヒョエー綺麗だね~、カエちゃんスゴイ!今日も良い一日を☆」

この子は気持ちの良い子だなあ。みーちゃん大好き!                        

このみーちゃんこと田中穗は楓の大学時代からの友達で大事な大事な大事なひとりだけの友達だ。

もちろんこの子は楓の宝物№1だ。


楓はぬいぐるみ作家だ。楓自体も熊のぬいぐるみに小さな頃から寂しいときや悲しいとき助けて貰っていた。


楓は一人っ子で母も父も働いていたのでひとりで家に居ることが多くぬいぐるみが必要だった。

リ○ちゃん人形、兎さんと白い小さな兎ちゃん、狸のヌー君、白○姫の白井さん、○ッキー君と○ニーちゃん。

その他数えられないくらい楓の部屋には小さな頃から今まで作ったり、集めたりしたぬいのぐーちゃん達が沢山居る。   

今も未だ増え続けている。                                                              今作っているのは真優ちゃんという子の兎のぬいちゃんだ。真優ちゃんは兎が好きなんだそうでオーダーのメールに自分の持ってる兎ちゃんに旦那さんが欲しいからお願いします!と書いてあった。真優ちゃんの書いたイメージの絵も送られてきて、この子のぬいぐるみへの愛情が伝わってきて作ることを即決した。

楓は自分が相手を好きに成れないとぬいぐるみを作れない。


依頼してくる相手を好きに成れないと愛情をぬいぐるみに込めて作れないのだ。

何か強い想いを感じられないと作れない。


きれいごとじゃなく相手の魂が大事なのだ。


本気なのだ。


だから楓の作るぬいぐるみは何かお守りのような力があると言われていた。                        まあゆうちゃんっ!鼻歌を歌いながら作業を始める。まゆまゆまゆまゆまゆっちゃん!真優ちゃんが、兎さんはフワフワなのが良いです!

と書いていたのでフワフワな白の布を使った。



楓は一番最初に顔のパーツを作る。目が決まらないと作れない。

何度も借り止めをして何度も見て付ける。

命を籠める!納得したら身体のパーツへ進む。



紅茶を淹れ人形のお顔を、避難させ又作業をする。

あっ!みーちゃんに見て貰お!っと写メを送る。

とすぐ返信が返ってきて、   

「かっわゆいゆいゆいねっ◎今回はどんな子に作ってるの?」                     「真優ちゃんって女の子。可愛らしい子だよ!」                     

「へぇ。喜んでくれるといいね!ガンバッ!!」         

「エヘヘ、そうだね。頑張るね」と返した。

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