戦国時代の領主の娘は悪役令嬢に転生したけど何故かラスボス公爵に溺愛されています
ちーずけーき
悪役令嬢になりました
――――チチチ...‥チチ
よく通る鳥の鳴き声
窓からは美しい花びらが舞いながら入ってくる
清々しい風が吹き髪が靡く
『統合完了...‥‥&%$&"#'...‥‥んんん、聞こえますか?杞憂姫』
だ...だれ?
『私は女神、ドロペウスです、貴方は実はとある小説『ヴァエラ〜貴方に捧げる愛を〜』の悪役令嬢に転生しています』
あくやくれいじょう?
『杞憂姫、貴方はあの時点で死んでいます』
嘘?
『嘘ではありません、真です。貴方はこの世界を救ってください』
なぜ?
『この世界はあと10年以内にアスモデウス・ベルガに破壊されてしまいます、だから貴方に彼が間に合ううちに救済をお願いしたいのです』
ま、まって――
『もう時間がありません、さようなら』
こうして私はいきなり異世界に連れてこられた
私はむくりと起き上がり鏡の前に立った
月虹の如く美しい銀髪に
年頃は7.8程で足元まで伸びた銀髪が揺らめいている
でも恐ろしいほど整っていて余計、自分は一回死んだんだな、と思わせる
父上や兄上はどうしているだろうか?
死んでしまってごめん被る
だけど今は泣く時ではない
確かアスモデウス・ベルガを助ければいいんだね――ってんん!!
私は頭に激痛が走りふらついてしまう
―――だれ?
―――――これはこの体の持ち主の記憶?
私はいつの間にか花畑に居て銀髪の少女が花冠を着けて笑っている
ふわりふわりと踊っていて
手を伸ばそうとすると届かなくて
凄く切なくて
気づいたらまた下の体に戻っていて
私は呆然として流れ込んできた記憶を朦朧としながら整理した
「私は、アリア・ディペルガ、ディペルガ伯爵家の伯爵令嬢で...‥‥今年で7際になる...‥‥」
どんどん記憶が流れ込んでくる
整理がつかない
私が布団?らしきものの上で悩み込んでいると侍女がノックしてきた
「お嬢様、旦那様がお呼びです」
「分かったわ、メイ」
なぜか知らないはずなのにスラリと答えてしまう
完全にアリアと合体しているみたい
私はアリアじゃない
私は自然な足取りで優雅に歩きメイにニコリと微笑みかける
「案内してちょうだい」
「分かりました」
メイは広い邸宅を迷うことなく歩く
大広間へ着くと伯爵と夫人が待ち構え知らない少年がそこに立っていた
「アリア、よく来た。この方にご挨拶しろ」
「分かりました――私、アリア・ディペルガと申します、以後お見知りおきを」
私はカーテシをして少年を見る
少年は表情を変えずに私達に挨拶をした
「俺はベルガ大公家のアスモデウス・ベルガ、よろしく頼む、しばらく世話になる」
「と言うことだ、アリア。アスモデウス様は今日から我が家に一時的過ごすことになる。仲良く過ごしなさい」
「あらあら、そうなのね、私も久しく
私が言うと皆がピシリと固まった
戦国時代の領主の娘は悪役令嬢に転生したけど何故かラスボス公爵に溺愛されています ちーずけーき @04110411
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