十六人目 童子

 母様かあさま。母様。

 どうして私は家を離れてはならないのでしょう。

 絶対に家から出ちゃいけないなんて、そんなの寂しくてなりません。

 母様。母様。

 どうして私は皆様と一緒に遊べないのでしょう。

 話しかけてもたまに無視されてしまうの。

 母様。母様。

 どうして私は皆様と違う着物なのでしょう。

 私、いつも同じ着物でつまらないわ。

 母様。母様。

 私はいつまで皆様を見守らねばならないのでしょう。

 あんなに小さかった子供がこんなに大きくなったのよ。

 母様。母様。

 どうして旦那様は昼間から寝ているの。

 知らない人と重なって寝ているのはどうしてなの。

 母様。母様。

 どうして私は皆様の家を潰さねばならないのでしょうか。

 あんなに長く見守っていたのに。どうしてなのですか。

 母様。

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