(二)-14

「どうしてこんなことするの。私をここにつれてきたからには、ちゃんと説明してくれるわよね」

「絶対口外しないって約束してくれる?」

 愛希子は息を呑んだ。今まで見たことのない、愛希子が知らない親友・郁美の姿がそこにあった。

「口外しないわよね」

 郁美は愛希子の目をにらむように見ながらそう迫った。

「わ、わかったわ。誰にも言わない」

「ありがとう。あきちゃんならそう言ってくれると思っていたわ」

 そうして郁美は地面に刺していたもう一本のシャベルを掴むと、「さあ、始めましょう。やりながら話すわ」と言って穴を掘り始めた。


(続く)

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