(二)-2

 そうして愛希子は懐かしいが、すっかり社会での労苦を味わった顔になった面々と再会した。それぞれ近況を報告し合ったり今日この場に来ることができなかった者について話したり、さらに中学時代の思い出話に花を咲かせたりした。

 肝心の幼なじみである富田郁美も来ていた。昔は明るく活発な性格であったが、事情があって父親がいなくなってからは少し暗く、大人しくなってしまった。それでも高校までは同じ学校に通った。その後、富田家は引っ越してしまい、それ以後、ずっと会っていなかったのだ。元気そうで良かったと愛希子は安心した。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る