(一)-4

「一ヶ月くらい前のことよ、急に売りに出されたのよ。どうしたんだろうって思っていたら、その後不動産会社が来て看板を立てて行ったのよ。向こう側の空き地と一緒にしてマンションを建てるんだって。あんた、何か聞いていないの?」

「ううん、なんにも。最近は連絡も取ってないし」

「そうなのね。ほら、彼女のおうち、お父さんがいなくなって、色々大変だったと思うのよ。だからちょっと心配で」

「うん、明日会えたら聞いてみる」

 そう言うと、愛希子はソファの母が寝転んでいた場所に、同じように寝転んで伸びをした。


(続く)

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