第47話 最終話
2017年5月スホとジアンは結婚した。
宮殿を再現した舞台、そこに伸びる新郎新婦の入場通りには、色とりどりの花で華やかにデコレ-ションされている。
結婚衣装は韓国古来の豪華な韓服姿。
日本でいえば十二単を纏い古式ゆかしい婚儀と同じだろうか。
出席者も豪華。
周りは、中、韓国の財閥や有名人だらけ。
この日だけで韓国中の数十分の一の凄い人達に会った事になる。
財閥の結婚式は、行き帰り、滞在、運転手つきの車、すべてに最上級のおもてなし。
あれだけ反対していたミレ自動車社長チュェ氏も、一家惨殺事件、詩織とすみれに百合殺害犯が分かり、今は一変して、自慢の韓国一のトップスタースホを、これ見よがしに、競合のライバル財閥に見せびらかしている。
まぁ変わり身の早い事。
それだけ……この結婚式を誰よりも楽しみにしていたという事だ。日本からも岸田コ-ポレーション社長雄介の姿もある。
あれだけ韓流スターとして、また結婚して韓国に生活の基盤を置くことに難色を示していた父だが、今日の雄介は、何かいつもと様相が異なる。
何か……?ほくそ笑んだ安堵の表情?
もっと言えば(良かった。やはり俺の息子は世界一、その証拠に韓国5代財閥の一片を担う大財閥の後継者になるであろう前哨戦の、この結婚式も滞りなく終える事が出来た。今は大スターだが?その後は例え人気に陰りが出ても、ミレ自動車社長の椅子も約束されたも同然!私はこんな立派な息子を持って世界一の幸せ者!)
元々韓国では企業を「社会の公器」ではなく「家業」とする考えが強い。
伝統的に、韓国経済では、「血縁」を重視する「縁故」で成り立っている。
人材の発掘に関しては、人柄や経営の実力でなく創業家出身であるかどうかという事なのだ。
要は経営者の私利私欲を追及した究極の歪曲した形なのだ。
その為ジアンは、1人娘である事から自動的にスホには、行く行くは社長か副社長のポストが転がって来る事になる。
10大財閥を見ると、1896年創業【斗山】韓国重工業を中心とした企業グル-プ。
この企業だけは、かなりの歴史があるが、他の財閥は【サムスングル-プ】創業1938年が一番古い企業となる。
一番新しい財閥企業、創業2004年【GSグル-プ】石油、潤滑油、石油化学、コンビニエンスストア、ホ-ムショッピング、貿易商社、建設など。
世襲制を重視するこの国の未来に暗雲を感じるのは、私だけなのだろうか?
2021年現在***
創業85年にも満たない企業を筆頭に一番若い企業は、創業17年と殆どが1代目2代目3代目の企業なのだ。
贅沢三昧に、我がまま一杯に、何の苦労も知らない、世間知らずの我がまま息子と娘に何が出来ようか。
欲に凝り固まった、己の私利私欲だけの為に、永続的に継承していればいずれは、破滅に向かっていくのでは?
何も分からない坊やとお嬢ちゃんを騙す事など朝飯前。腹黒い狸達に侵食されて……その果てには……?
さ~て?一方の北朝鮮の女帝久美子は2021年7月現在61歳はどうなったのだろうか?
岐路に立つ北朝鮮***
いつまで、この独裁政治がまかり通るか見物だが、人間は一度手にした、てっぺん、女帝、最高指導者の地位をそう易々とは捨てきれない。
それはそうだろう。本来ならば平等の立場にある人間同士に王様とそれに付き従う奴隷達のような隔たりを作り、こき使い、働いたお金は湯水のごとく金一族の為に使われる。
誠に身勝手な美味しい話。それは絶対に捨てられない。
日夜この地位しがみ付き、守り抜くことに固執して、神経をすり減らして、その美しい容姿とは裏腹に心は歪み策略や陰謀に凝り固まって、本来の普通のありきたりの幸せを何処かに置き忘れ、自分に都合のいい間違った正義を振りかざしている。
権力欲と物質欲に塗れて、只の砂漠と化した宮殿で……。
また北朝鮮のありとあらゆる人民に恐怖心を植え付ける事で、生きるロボットと化した人民の仮初めの姿、忠誠心を真実と思って疑わないのだ。
人間を舐めて貰っちゃ困る!いつか積もりに積もった恨みが爆発する時が来るかもしれない?
恐ろしいから従っているだけ……権力を失えば誰一人として見向きもしない裸の王様。
壁に向けて手を後ろ手に縛り付け、顔はこちら側に向けさせられ射殺されたル-マニアの独裁者チャウシェスク大統領夫婦のような、末路だけは間違っても辿って欲しくないものだ。
【だが、ル-マニアでは外国の本の翻訳が公式に売られていて、集会を開いたり新聞が組織への不平不満を取り上げたりすることもあった。確かに組織に目を付けられれば、家族も捕まる北朝鮮とは大きな違いがある】
全く困ったものだ。核やミサイル問題も山積している。
弱肉強食を地で行く動物世界を縮図化した、最強国北朝鮮は何処に向かっているのだろうか………?
終わり
偽りの家族(策略と愛憎劇の果てに……) あのね! @tsukc55384
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