第18話 母親久美子殺害?


 久美子毒殺未遂事件の数日後、桟橋の上で誰かを待っている久美子邸の調理担当イソ。


「イソ約束の物を持って来たヨ」それは札束だった。


「宜しいのですか?頂いて……」

 そして…喜び勇んで帰るイソ、その後ろを付け狙う影。


「キャ——————————————————ッ!」


 ”ザッザブ————————ン”


 そして…今度は久美子に危機が迫って………。

 ◆▽◆


「一緒に白頭山に行きませんか?丁度シーズンになる手前の6月下旬、観光客もまばらなこの時期だからこそ白頭山に出掛けましょうよ」


「本当ですね。今の時期なら気楽だわね~!」


 久美子は誰かに「白頭山旅行に出掛けましょうよ!」と促されて上機嫌。

 その……誰かとは……何の躊躇もしないでOKを出したという事は……かなり親しい親友なのだろうか?


 そして即OKを出した。


 朝鮮半島最高峰である白頭山(ペクトゥサン)山頂の青々としたカルデラ湖など、美しい自然が見事で、神秘的な神々しい景色を堪能しようとしていたのだが、首都平壌から車と、後は歩きで10時間位掛かる為、まだ深夜に邸宅を出ようとした久美子。たまたまその日は重要な会議が有る為、侍従達はいない。


 何故この日にしたかというと、いつもは警備が厳重で出歩くのにも一苦労。


 久美子はいつもコッソリと出掛ける時は、変装をして出掛けるので一度も気付かれた事がない。気楽に旅行や買い物くらい好きなように、自由にしたい久美子は時々こっそりと出掛けている。

 

 そして白頭山に行く日の夜の事だ。今日も変装をして自由気ままな旅行をしようと、胸の高鳴りを抑えることが出来ない。

 

 久美子が出掛けようとすると……。


 この後、久美子に思いも寄らない事件が起きる。そして変わり果てた姿で発見された。


 ◆▽◆

 

 久美子たちが旅行に行くあの晩、秘密兵器製造工場に性能や完成度の視察の為に向かっていた久美子の側近達の姿は、全くと言って良いほど邸宅には姿は無かった。警備も手薄になっている。


 本丸御殿から何百キロも離れた基地の、施設に視察を兼ねた重要会議に向かう為に常駐の側近達は皆出払っている。


 そんな時に事件は起きた。


「ああああッ!あなたは誰?キャ——ッタ タ 助けて!誰か————!」


「ウフフフ ウフフお前のような口うるさい女はこの国には必要ない!」


「ナ ナ 何をするのです。オオオお前は!よくも裏切りやがって!キャッキャ————!」


「ウフフ~!この女を殺せ————!」


 本当に久美子は殺害されたのか? 

 もし殺害されたのであれば、久美子を殺害した犯人は誰なのか?

 そして…旅行に行く約束をした人物の正体は誰なのか?


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