第14話 スホと隼人は?
スホは、実は……あの岸田隼人なのだ。
自分が朝鮮王朝の血を引く久美子の息子だという事は全く知らない。
パチンコメ-カ-岸田コ-ポレーション『キシマル』の御曹司であると信じて疑わなかった無かったのだが…。
まさか、父親雄介とは全くの赤の他人で、母や姉妹たちも全くの赤の他人などとは露とも思っていなかった。
また何故岸田コ-ポレーションの息子になったかという事だ。それから…幸子と母詩織が同一人物で何故名前を変える必要が有ったのか?
◆▽◆
実は久美子の側近が久美子に頼まれて、赤子の隼人(スホ)が奥深い森の中に捨てられる一部始終を確認していた。
隼人を捨てにやって来た使いの者がいなくなったのを見計らって、久美子の御付きの者の家にかくまっていたのだ。
そこのおばあちゃんと、岸田コ-ポレーションの先代社長太郎が兄弟だったので、丁度子供も授からなかった息子雄介の、後継者として育てられる事になった。
そんな経緯でパチンコメ-カ-『キシマル』の御曹司となった。
*****
スホはドイツ系アメリカ人の血を引くクオーターという事もあり、高身長で彫りの深いハッと目を引く美男子。丁度、韓流ブームの到来で韓国芸能界も、血眼になって宝の原石を探していた時期。
学生時代に友達と東京の某デパートで買い物中にスカウトされた。そこで韓国エンタ-テーメント・キング社の関係者の目に留まり、韓国の芸能界に入った。
パチンコメ-カ-『キシマル』の跡継ぎが芸能界などとんでもない話。
跡継ぎとして期待していた隼人が「あんな遠くに行ったら、おいそれとは帰って来れない。韓国芸能界などとんでもない!」父親雄介に猛反対をされたが、反対を押し切って現在に至った。
そして……何故母や姉妹達が殺害されなければいけなかったのか?父雄介に詰め寄っている。
「お父さん、あなたが母とすみれと百合を殺害したのですか?」
「そ そ そんな訳、ある訳ないじゃないか?」
「でも……人づてに……聞いた話では、お父さんが3人を殺したことになっている!」
「グウウ…( ノД`)シクシク…確かに殺害されたあの日俺は、詩織と喧嘩したんだ。あの日俺が仕事に向かおうとしていると……男が訪ねて来たんだ。そして詩織とは別れろと脅されたんだ。俺もあの日は急用で急いでいたんだが……その男と口論になりその時にクウウ( ノД`)…ワァ~~~ン😭詩織が…詩織が…男と秘密裏に交際中で『決定的な写真まで持っている。詩織との結婚は許さん!』と暴れまくったんだ。『エエエエ————ッ!詩織に男がいるだって?詩織それは本当か?もし本当だったら絶対に許さん、言ってみろ!』すると詩織は只々泣きじゃくるだけだった。そこで詰め寄って聞き出そうと詩織に近づいたんだ。だが……後の記憶は一切なかったんだ。殴られて気を失っていたんだ。そして目を覚まして周りが血の海となっていて……3人が多分絶命していたと思う。取るものも取り敢えず……その場から殺人犯にされてはと思い逃げたんだ。そして今でも嫌疑が晴れずに追われている身なんだよ。だけど絶対に俺じゃ無い。俺は詩織と結婚の約束をしていたんだ。心から愛していた女を殺す訳無いだろう?あの日のあの男の手掛かりさえ掴めれば……すべてが分かるんだが……あの朝鮮なまりの眉間に三日月形の傷跡のある男だった……」
一体その男は誰なのか……?
隼人は父を助けるべく、母詩織の過去を辿っている。
すると……そこには、恐ろしい男の存在が明らかになって来た。
ドハやミノもその男に操られているのか……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます