偽りの家族(策略と愛憎劇の果てに……）

第6話 スホとジアン

　2003年4月 - 9月にNHKBS2の海外ドラマ枠で『冬のソナタ』（通称「冬ソナ」）が放送され人気を博したことにより始まった韓流ブ－ム。

　2004年4月－9月韓流ドラマ『パスタ王パク・ウヌ』が日本でも空前の人気を誇っている。

　実は一部の御婦人方から火が付き、主演のキム・スホの精悍で優しい役柄それに加えて、あまりにも端正なイケメンぶりに爆発的な人気になったのだ。

【日本における「韓流」は、2003年4月 - 9月にNHKBS2の海外ドラマ枠で『冬のソナタ』（通称「冬ソナ」）が放送され人気を博したことにより始まった。同ドラマの主演俳優ペ・ヨンジュンの愛称そのままに「ヨン様ブーム」としても知られるようになった。初期には純愛ドラマが多かったこともあり、中高年の女性がブームの牽引役(けんいんやく)となり。韓国で放送されたドラマが日本でもそのまま放送され、韓国人俳優に注目が集まるようになった】

　2006年現在キム・スホ23歳は、高級住宅地が連なる漢南洞（ハンナムドン）のマンションで母親と2人暮らし。

　スホの人気は特にアジア圏では絶大なもので、中国、台湾、日本、ベトナム、タイ、フィリピンなどで絶大な人気を誇り、その人気は飛ぶ鳥を落とす勢いの凄まじさ。

　そんなある日、韓国財閥最大手の自動車メ－カ－ミレ自動車御令嬢チュェ・ジアンの、誕生パ－ティにジアンたっての希望で招待された。

　スホの大スポ－サ－断る訳にもいかず、仕方なく忙しい最中顔を出す事になった。

　仕事で疲れ切って嫌々パ－ティ会場に向かったスホは、パ－ティ会場で一際可憐で美しい女性に釘付けになった。

　実は何を隠そう、今日の誕生日の主人公チュェ・ジアンご令嬢なのだ。

「あ～ら？やっと来て頂けたのね。今日はたっぷり楽しんで下さいね！」余りの美しさにスホも緊張して上手く話せない。

「ア　ア　ありがとうございます」それだけ話すので精一杯。

　それからというものスホは、ジアンの豪邸に度々招待されている。

　財閥との太いパイプで結ばれたスホには、以前にも増して仕事のオファーが舞い込み陰りなど微塵もない。

　社長も2人の恋の行方を目を細めて応援している。スホは今幸せの絶頂だ。

　芸能界でも美しい女性を山ほど見ているスホだが、変に毒々しい煌びやかさのある女性達とは打って変わって、清楚で品位のある、また知的な佇まいのジアンに一瞬で恋をしてしまった。

　人気絶頂のスホだが、そんな中どんなに疲れていようが、燃えたぎる情熱を抑える事が出来ず、チョットの時間でもジアンの元に会いに行っている。

　勿論ジアンもスホとは1分1秒たりとも離れたくない。離れられない！燃え盛る炎、情熱を押し殺す事など到底出来ない。激しい恋に落ちた２人なのだが……。

　そんな幸せオーラ全開のスホだが？スホの後を執拗に付け回す黒い影？？？

　その人物は一体誰なのか？