ロンリー・キンドレッド 〜親に捨てられた俺は同じ境遇の子と出会い、愛を知る〜
まどうふ
第1話 これから冒険をすることになる
生まれた時に母から最初に言われた言葉は
「逃げられるんだったら子供なんて産まなきゃよかった」
らしい。今思っても最低だな──
「ねえ、いつになったら婚姻届書いてくれるの?」
「もう書いてあるよ」
「じゃあ明日には私たち夫婦だね」
「そうだね」
しみじみとした雰囲気のLDR(出産用の個室)で2人は手を繋ぎ、見つめ合った。
そんな時、彼のポケットから振動するスマホが見えた。
「出ないの?」
「あぁ、ありがとう」
あ、部屋から出るんだ、ここで電話に出ても迷惑じゃないのに。でも...そんな優しいところが好きなんだけどね。
彼女はそう思いながら頬を赤らめ、ベッドで一人悶々としていた。
「お忙しい中すみません、社長」
「いや、ナイスタイミングだよ」
「え、あっはい」
「それでなんだ? 今病院だから小声で話させてもらうぞ」
「分かりました。それでなんですけど、
「またあの爺さんか......分かった、すぐ行こう」
「お待ちしてます」
そこで電話を切り、彼女のいる部屋に入った。
「あっ、どうだった? 会社からの電話?」
「ああ、そうなんだ。今から行かないと行けなくなった」
彼はバッグを持ってドアノブに手をかける。
「え、あっ...そうなんだ。頑張ってね!」
「ありがとう、行ってくる」
そう言い、彼は夜20時に会社に足を運んだ。
もうすぐあなたの子供が生まれるというのに...
彼は今日を境に病室に来なくなり、連絡もつかなくなった。...子供が生まれるその瞬間さえも。
時は経ち、二年後。
私は子供の名前に
私に子供がいることは両親には話していない。そもそもまだ結婚していなかった。
退院したその日、久々に家に帰ったらテーブルの上に私の名前だけが書かれた婚姻届があった。そこに彼の姿はなかった。その時、本当に捨てられたんだと思った。
そして私は大罪を犯してしまった。
子供を捨ててしまった......まだ二歳だというのに。私が捨てられたからって煌羽が捨てられる理由は無いのに...。
落ち着いて考えたら子供に罪は無かった。
そして冷静に考えれるようになった頃、私は実家の前に立っていた。
はぁ、帰ろ。社長とはいえこんな夜遅くに呼び出しは無いだろ。早く帰って寝よ。
「あ......ああ...」
え、子供か? こんな寒い所でダンボールに毛布一枚とは、完全に捨てられているじゃないか。
「妃、急な電話ですまない」
「なんでしょうか?」
「車を出してくれないか? 歩いて帰ると言ったが子供を見つけた」
「子供...? まぁ......分かりました。場所送っておいてくださいね」
「ああ、お願いする」
こうして俺は拾われた。名前はダンボールに書いてあったらしい。
中学生になった頃、本当の親では無いと言われた時は俺の予想が当たったことにびっくりした。
もしかしたらそうかもと思っていたからだ。
顔や性格が似ていない。
いつも無愛想で何より父親がいないし話も聞かない。
そんな俺でも今日から高校生。中学校の時の友達はおらず、周りはみんな知らない人。
今日から俺は新たな冒険を始める。
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あとがきです。
どうもまどうふです。
新作がスタート致しました。
設定を考えるというところでかなり時間を使ってしまい、思った以上に時間がかかりました笑
まだ分からないことだらけだと思いますが
楽しんでもらえたら嬉しいです!
よければフォローと応援、★のほど、よろしくお願いします!
以上、まどうふでした!
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