4#10



「これが催眠アプリですか。胡散臭いですね」



渡されたスマホを見るとそこにはエジプトで見そうな瞳のマークが写っています。



「あっ、それまだ起動はしてないけど、起動させてから見ると直ぐに催眠かかるから気をつけて」


「それって起動しないと本物かどうか、わからないじゃないですか。起動します」


「あっ…………まぁ、委員長なら変なことしないだろうし、いいか」



催眠アプリを起動してみました。おそらくジョークグッズの類だとは思いますが、念の為、画面を見ないようにします。


まったく何なんでしょう。こんな物を持ち出して僕の事を騙そうとでもしてるんでしょうか。こんなものに騙される訳が無いのに。催眠になんてかかるわけないじゃないですか。


大方、これを僕に使わせて催眠にかかったフリでもするのでしょう。それで一連の流れは全て催眠アプリのせいだった事にして、自分らの異状性癖を誤魔化そうという魂胆ですね。


はぁ、この後に及んで妙な悪あがきをしますね。素直に認めればいいものを。


ですが、これを使ってバカどもがどういう反応をするのかは気になりますね。ここは一旦、話に乗るだけ乗って無茶な指示を出し、最終的には「催眠になんてかかってないじゃないですか」の流れから再び説教してストレス発散しましょう。


本物の催眠アプリなんてあるはずがないんですから。というかそういうシチュエーションがお好みで?まったく男子というのは妄想力豊かですね。



「それでこの画面を見せれば催眠にかけられるんですね?」


「うん。それでなんでも言うことを聞かせられる」


「なるほど。では白井さん」


「わ、私ですか……?」


「はい。画面を見なさい」


「で、でも……」


「見なさい」


「……は、はい」



まずは白井さんで試します。有無を言わさずスマホの画面を見せました。


すると白井さんの目がトロンと惚けた様になりました。なるほど催眠にかかってる演技ですか。なかなかやりますね白井さん。



「白井さん、貴女は今から僕の指示なしでは体を動かす事が出来なくなります」


「……はい」


「動かなくなりました?」


「……う、動かないです」


「ほう」



ピタリと白井さんは動きを止める演技をしています。



パンっ。



「ひゃうっ!?」



僕は動きを止めた白井さんのだらしない下品なデカパイを軽くビンタしました。



「な、なにするんですかぁ……」


「本当に動けないのか確認作業です」



急におっぱいにビンタをすれば、演技どころでは無いと思ったんですが、以外にも耐えますね白井さん。まったく動きません。


なるほど久保くんに散々おっぱいを弄ばれているであろう白井さんにはこの程度なんともないということですか。


ふむ。おっぱいがダメとなると他の部分を弄り回しても、久保くんに全身くまなく開発されているであろう白井さんは耐えてしまいそうですね。



「この催眠アプリ……本物かも知れませんね」


「そう!その催眠アプリ本物なんだ!それでその催眠アプリでーー」


「待ちなさい。まだ完全に信じたわけではありません」


「えぇ……」


「今度は久保くんに試します。いいですね」


「わ、わかった」


「では画面を見なさい」


「……はい」



画面を見せて久保くんに催眠をかけます。白井さんと同様、久保くんも目がトロンとなります。まぁ、これも演技でしょうね。


さて、久保くんにはどんな催眠の演技をしてもらいましょうか。白井さんのはやって出来ないことは無い内容でしたから、久保くんには無茶な指示を出しましょうか。



「では、久保くん。貴方は今から催眠アプリを使い、僕に催眠をかけて、久保くんの言いなりになった僕を、自分の変態性癖でメチャクチャにしなさい」


「…………」


「あっ、ヤル時は彼女である白井さんに見せつけるようにヤッてくださいね。それで白井さんより僕の方が気持ちいい!って叫んでくださいね」



ふっ、流石にこれは無理でしょう。


ほら久保くん。さっさと催眠アプリは偽物だったと白状なさい。それをゴングとし説教の第2ラウンドを

開始します。


楽しくなってきましたね。



「…………わかった」


「そうですね。催眠アプリは偽物ですよね。まったくこんなしょうもない嘘を…………って、ん?」




わかった……?



何を?



あ、あれ……?





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