#19 お料理したい聖女様
「…………(ぐったり)」
「ママぁ、大丈夫?」
つんつん。
「ひぅっ……!(ぴくんぴくんっ)」
「わぁ」
「さ、さっくん……い、いま触ったら……らめですぅ……!」
「ホントに?触んない方がいいの?」
「は、はひぃ……」
「そう言ってるわりにはママ触って欲しそうだけど?」
「そ、そんなことーーんひぃっ……!?!!」
「ほらぁやっぱり触って欲しかったんじゃん」
「いけましぇんいけましぇん……わたしママなのに……しゃっくんのママなのにっ……!」
「ママには甘やかして貰ったから、たっぷり恩返しするね!」
「だ、ダメですぅ……!」
「ママ、どう?」
「もうっ!ママは怒りましたよっ!ママをイジめる悪い子にはお仕置ですっ!」
「へ·····?あっ·····ちょっ·····!?」
◇◇◇
不思議なおキノコさんを食べます!
食べるとは言いましたが、どうやらこのおキノコさんは食べられない不思議なおキノコさんみたいです。なんでも異界から生えるファンタジー食材らしいです!世にも不思議な奴です!ファンタジーです!
なんでも中に入っている液体を絞り出して、それを楽しむそうですね!
液体を絞り出すためには入念な調理が必要な様です。私は料理したことが無く初めての料理になりますが、大好きなさっくんの為に頑張ってお料理していこうと思います!
まず初めに不思議なおキノコさんを大きくしなくてはなりません。優しく手で触ってにぎにぎしたり、擦ったりします。そうすると不思議なおキノコさんは不思議な事に巨大化し、さらに硬化していきます。
ガチガチに大きく硬くなった不思議なおキノコさんを今度はキレイキレイしていきます。不思議なおキノコさんはとても繊細でデリケートなモノなのでお口を使って舌で舐め回してキレイキレイします。丹念に丹念にキレイキレイします。
すると不思議なおキノコさんの先っぽから先走り液体が出てきました。どうやら順調に調理が進んでるようですね!
にぎにぎシコシコキレイキレイを続けると不思議なおキノコさんはさらに巨大化。まるで生き物の様にびくんびくんと脈打ちますが、あくまでこれは食材の不思議なおキノコさんですので、生きてはいません。不思議なおキノコさんですー!
びゅるるるっ!
わぁっ!不思議なおキノコさんから液体が吹き出しました!無事に調理が完了したみたいです!
不思議なおキノコさんにしゃぶりついて吹き出す液体をお口で受け止めます。トロリと濃厚で生臭い液体が私の口内いっぱいに溜まります。
お口に暫く溜めてからその液体をゴクリと一気に飲み干しました。苦味と生暖かさが喉に絡みつきます。なんでしょう凄く癖になる味がしますね。
不思議なおキノコさんの液体を飲み干すとなんだか身体の奥底から熱が湧き上がってくるような気がします。ポカポカします。
もっと飲みたいです!
そう思い再び不思議なおキノコさんにしゃぶりつき、少し残っていた液体を舐め取り、さらに吸って搾りだします。
不思議なおキノコさんは中の液体が無くなると小さくなるようですが、まだこの不思議なおキノコさんは巨大化したままです。ということはまだ中に液体が残っているということですね!全部搾り出して味わい尽くしてしまいましょう!
そこから2度、3度と不思議なおキノコさんから液体を搾り出すと、流石に不思議なおキノコさんも少し小さくなってきたような気がします。
こうなってきたら今度は手と口だけではなく別の調理器具を使ってあげるといいそうです。
それが、
(く・ぼ)(さ・つき)
こちらの不思議なおキノコさん専用の調理器具ですね!
こちらで不思議なおキノコさんを挟んで動かしてあげるといいそうです!さっそくこの調理器具を使って行きましょう!
不思議なおキノコさんを調理器具で挟んであげるとアラ不思議!見る見るうちに不思議なおキノコさんは先程までの大きさに戻っていきます!この調理器具凄いです!
不思議なおキノコさんを挟み込んだ調理器具をぐっぐっと押し付けたり上下に動かしたりします。すると流石は専用の調理器具と言った所でしょうか、先程より不思議なおキノコさんが大きくなっているような気がします。これはいっぱい液体が搾り出せますね!
専用の調理器具を使うとすぐにまた不思議なおキノコさんから液体が吹き出しました。美味しいです!もっと欲しいです!
専用の調理器具とさらには自分の口を使いながら、さらに不思議なおキノコさんから液体を搾り取っていきました。
それから不思議なおキノコさんから液体が出なくなるまで調理を続けました。
ママ、初めてのお料理でしたが、上手に出来たでしょうか?
まるで魂が抜けてしまったようにさっくんは放心しています。
これはママの調理に満足してくれたってことですね!やりました!
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