ExKlasse 居眠

「くかー」

 授業中だというのに堂々と居眠りをかますのはK。

「ちょ、ちょっと京さん、起きて……」

 心配した桐生が声をかけるが全く起きる気配がない。

「転校生なので大目にみたいところですが……起きて下さい、京さん!」

——ビュン!

 教壇からチョークが一閃。教員も訓練されているためその弾速は速いが……

——ペシッ

「んぅ……」

「なっ! 弾いた!?」

 まるでそこに来るのを分かっていたかの様にチョークを軽く弾く。

「んなぁ……なんか用か? センセ?」

「いや、この問題の答えを……」

 さっきまで寝ていたKに答えられるはずもない数学の問題。それを教員は投げかける。チョークでダメなら問題を、と言ったところだが……

「ああ? んなモン答えは3だろ。見たらわからぁな」

「!」

 一瞬見ただけで答えを言い当てる。ざわつく教室。

「これでいいか? ふあ〜あ。おやすみ」

 教員も生徒も驚きを隠せない内にまたしても寝る。最早咎める者はいなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る