バカな友人たちと過ごす日常~近所のロリを添えて
日野 冬夜
第1話 近所の小学生のモーニングコール(物理)
3年間お世話になった中学校を卒業し、クラスメイト達と涙のお別れをした卒業式から早数日。俺こと更科晴樹は惰眠を貪っていた。
涙の別れはなんだったのか、昨日(今日)も友人達と夜遅くまで遊び惚けて深夜に帰宅し、そろそろお昼なのに未だベッドの中。どう見てもバカ丸出しの学生だ。
だが夏休みなんかに比べて短いとはいえ課題もなく、高校受験を終えて解放感MAXな長期休暇などハメを外さなければ嘘だろう。俺は悪くない。
そんな風に自己弁護しつつもう少し寝ようとする俺の耳に呼び鈴を鳴らす音が聞こえた。セールスか宅配か知らんが俺の惰眠の邪魔をするとは…。
そんな風に憤っていると次いで呼び鈴を鳴らした下手人の声が聞こえた。
「おにーさーん!あーそびーましょー!」
お兄さんはただいま惰眠を貪っております。ご用の方はピーッという発信音の後、メッセージを残すことなく回れ右して下さい。
届けこの思い!とベッドの中から念を送るが、現実は無情で階段を登る音がする。どうやら母さんが入れたらしい。
半ば諦めつつもまだ惰眠を貪りたい俺は頭まで布団を被り徹底抗戦の構え。俺は諦めんぞ!
「おにーさん!あーそーぼっ!」
「ゴフッ!」
そんな俺の願いも虚しく、部屋の扉を開けた侵入者はベッドで丸まっていた俺に気付くとフライングボディプレスをしてきて、一気に目が覚めた。
「お兄さんいつまで寝てるの?もうお昼過ぎてるよ?」
「寝たのが朝方だったからまだ眠いんだよ。あと乱暴な起こし方をしたことを謝れ」
「ごめんなさーい」
文句を言いつつ布団から顔を出して目に写るのはニシシッと笑う少女の笑顔。肩甲骨にかかるくらいのサラサラな黒髪に多少吊り目がちの瞳。この長期休暇が終われば小学6年生になる彼女は幼いながらも将来は美人になるだろうと思われる顔をしている。名前は平岡彩音。
「重いからどけ。起きられんだろ」
「寝たいんじゃなかったの〜?あと重いってレディに向かって失礼だよ」
「レディはボディプレスはしねぇよ。いいからどけ」
無理矢理どかすとブーブー文句を垂れるこいつは隣の家に住むクソガキだ。隣の家に住んでいるだけあって昔から何かと面倒を見てやっていた。だが甘やかし過ぎたのか生意気な性格になってしまった。外面はいいんだがな…。
可愛かった頃を思い出して溜め息を吐きつつベッドから出ると早速絡んできた。
「目覚めにこんな可愛い私の笑顔を見れたのに何溜め息付いてるの〜?」
「可愛いかった頃のお前を思い出して今と比べてな」
「今も可愛いでしょ!」
ギャーギャー騒いでいたがふと思い出したように挨拶してくる。
「おはよう、お兄さん」
「おはよう、彩音」
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