第4話

 たくさんのリュックサックと共に。

 お兄ちゃんはやってきた。

 朝食が2人ぶんになり、母はお兄ちゃんに心を開示した。

「いつものご飯と違うかも知れないけれど、なるべくウチ流で、なるべくお兄ちゃんの好みに合わせるから。いっしょに住んでこ?」

お母さんの声が震える。

 お兄ちゃんもうつむいて肯定する。

 わたしは、叔母さんには悪いけれど、毎日お兄ちゃんに会えることが幸せだった。お兄ちゃんと言っても年は同じで、向こうのほうが誕生日が早い。

 お兄ちゃんは、叔母さんが心底好きな人との間に出来た子だ。でも、結婚するわけにはいかなかった。叔母さんはお兄ちゃんと実家に身を寄せた。

 また、わたしのお母さんも結婚するにはちょっと、という人との間にわたしができて。一応結婚するのだが、なんとわたしの父にあたる人は交通事故で亡くなってしまい。

わたしの将来のための保険金と叔母さんとわたしのお母さんの、お互いシングルマザーで生きていこう!という気合いだけが残留する。

 そして、時が立ち。わたしたちはまた、一緒に住む。

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