5thワールド//~空飛ぶ世棄て人と偽人類~

宇多川 流

新しい世界(一)

 二五歳の秋。なにもかも失ったわたしは古いリュックサックひとつ背負って、人の気配のない早朝に旅立つことにした。

 振り返る目に映るのは生まれ育った、二階建ての白い壁の家。持ち主は親戚のおじさんで、三か月後までには出て行ってほしいと言われていた。家族もいなくなった今は、急に他人の顔になった気がする。

 朝の涼しい空気に触れ、深呼吸すると少しだけ落ち着いた。ふと、リュックの中身を確認すると財布とメモ帳とシャープペン、なぜか大きなビニール袋と中くらいのビニール袋が一枚ずつ。何もかも足りない気はするけど、落ち着いてきたとはいえきっちり準備するほど冷静ではなかったらしい。

 財布には一万円札と数千円と小銭が少し。これが全財産。何年もバイトしていた飲食店が全焼したのは、わたしを除く家族が事故死する五日ほど前のこと。そんなに散財した覚えはないけど、大学生活のためにした借金の返済でほとんど余裕はなかった。まともに就職もできないなら借金してまで進学せずに働けば良かったのだけど、後の祭り。

 本やCDといった売れる物は売った。わずかな遺産は借金の返済や葬儀などで消え、これがほんとの全財産。

 ――むしろ清々しい。

 わたしはそんな気分で歩き出す。毛布の一枚も持っていない代わりに明るいベージュのフード付きフリースコートの上に厚手の黒いコート、と厚着してきたので寒くもなく、思惑通り田舎町のこの時間には人の姿も少ない。悠々と小路の真ん中を歩いて大きな通りに向かう。

 国道はさすがに車通りが多いだろう。目的地はないけど、どの方向に進むか歩きながらちょっと迷った。どうせなら遠くに行きたい。人目につかないように遠くに行くには、とりあえずのところ浜辺を歩くのが安定か。

 ここは沿岸の田舎町。山も近いけど、あちらは動物が脅威になりそうで旅にはあまり適さない。

 空を見上げながら歩く。いい天気、でも雨の対策はない。隣町についたら百円ショップにでも入って、雨合羽と食料と水筒……いや、ペットボトルの水でいい。それと、皿と小さなフライパン、ウェットティッシュにラップ。今までになくお金の計算をしながら必要な物を考えるのは、なんだか楽しい。

 わたしは誰にも見つからないまま浜辺へ出て砂の上を歩きだした。人目を避けるだけなら家にいたところで大した状況は変わらないかもしれないが、お節介な近所のおばさんなどが訪ねて来る可能性はある。それでも、わたしが行方不明でも探すほど親しい人はいないけれど。

 家には一応、家主のおじさんが探さないよう『遠方に就職してアパートを借り引っ越しました、今までありがとうございました』という旨の手紙とともに鍵は送っておいた。

 浜辺は潮風が吹きやや寒いものの、少しずつ日が高くなり暖かくなる。昼近くになるくらいにはちょっと暑いくらいだ。

 休憩を挟みながら歩いて五時間過ぎくらい。もう隣町に入っている。ポケットに入っていたハンカチで汗を拭きつつ十数分ほど休憩して、浜辺から街中へ。ここくらいまでは土地勘があるので、迷いなく百円ショップに辿り着く。ここで敷物やアーミーナイフを加えた全一二種類を購入、千数百円の支出。

 早速買ったパンをひとつ、水を飲みながら近くの公園で食べる。そして、地図くらい家から持ってくれば良かったな、と思う。百円ショップの物ではそれほど詳しくない。

 ま、しばらくは案内板をメモしながら行こう。

 駅の案内板に寄って、再び浜辺へ。ここから先は徒歩の旅路としては未知の世界だ。たぶん、途中で砂浜はなくなるので、道路を通らざるを得なくなるんじゃないか。

 ――とりあえず行けるだけ行ってみよう。

 飽きたら舐めようと、飴玉を買ってポケットに忍ばせていたものの、実は浜辺を歩くことというのはなかなか飽きが来ない。漂流した色々な物が想像を膨らませてくれるから。流木や貝殻などにまぎれている日用品やボール、空き缶などのほかに、たまに外国語の書かれた木の板や雑貨、極まれにある木の実やもっと珍しいもの――それらを見ながら浜辺を歩くのは、もともと好きだ。

 すべてを捨てたこの状況なのに、無意識についに鼻唄まだ唄ってしまう。これ、なんの局なんだっけ。しばらく前からふと気がつくと出てしまう感じだけれど、昔聞いた流行歌だろうか。思い出せないままにメロディーを流し続けた。

 陽は少し傾きつつある。それに照らし出されたガラスの破片や貝殻の一部はきらめき、空から見るともっと綺麗かもしれない。

 わたしは空を飛ぶ夢をよく見る。空を飛ぶ夢はなにかから逃避したい心理の表れだとどこかで聞いた気がするが、わたしの場合は違うと思っていた。夢の中で空を飛ぶのは本当に楽しく、また飛ぶ夢が見たいと願うほどだから。

 最近は飛ぶ夢よりも悪夢の方がよく見るけれど。血を流す誰かを抱えて復讐に燃える夢だ。家族を亡くしてから――復讐する相手なんて現実にはいないのに。

 とはいえ、現実ではそれは叶わぬ夢。歩くのも嫌いじゃない、この浜辺のような場所はなおさら。場違いななにかの装置を見ると、沈没した船の機械の一部か、もしくはもっと想像のつかない物かもしれないと考えたり。一見よくあるガラスの破片に意味不明な文字列が刻まれていると、それをまじまじと見つめて暗号かなにかかと妄想してみたり――とにかく、暴走気味なわたしの想像力が刺激されて仕方ないのだ。

「それ、最近出た食玩のオマケの一部だと思うよ」

 突然の声に驚き、声の主を見る。浜の上部の芝生の上、赤い一人用テントの前の流木に一人の老人と一匹の犬が座っていた。会ったこともないのに、一瞬感じる既視感。

 田舎の海水浴もできない浜辺だけど、たまに旅行者がテントを張り泊っていくことはある。どうやら、そういう人たちには田舎の静けさがいいらしい。そういう種類の人間だろうか。

 わたしがどう返すか迷っていると、白髪に白い口髭を生やした老人は、笑顔を少し苦笑の色に変えた。

「いや、驚かせてすまないね。ずい分熱心に見つめているからついね」

「いえ……。それにしても、大人しい犬ですね」

 興味を無難にもの言わぬ犬に向ける。いや、犬に興味を持ったのは事実なのだけど。

 たぶん犬種はゴールデンレトリバーで、首輪で繋がれているわけでもなく大人しく座ったまま、こちらを見ている。

「いや、昨日その辺を散歩していたらついてきてね。たぶん捨てられたんだろうね」

 かなり躾けられた犬で、長年老人に連れ添ってきたペットなのかな――と想像していたのは違った。

「へえ……その犬、飼うんですか?」

 どうか、置いてくとは言わないでほしい。後味が悪い。

「それもいいかもな、と思ってるよ。どうせ家に帰っても養う相手もいない。子どもたちも寄りつかないしな」

 奥さんとは離婚したか死別したのだろうか。もしかしたら、わたしたち――二人と一匹は似た境遇なのかもしれない。

「お嬢さんは一人で散歩……という格好じゃないね。若いお嬢さん一人旅は危険じゃないかい?」

「そこは上手くやりますよ。こういう浜辺や防風林にでも野宿すれば、人間は寄り付かないでしょうし」

 人間は、というだけで動物は寄り付く。とはいえ、あまり山に近づき過ぎなければ脅威になるような動物には出会わないだろう。

「なるほど。ところで、どこか目的地はあるのかい?」

「ないですけど、とりあえず南へ行こうかなと。気候が温暖でしょうし」

「そりゃそうだ」

 笑いながら、老人は懐に手を入れる。

 ここはすでに北国、北海道だ。これより北に向かうのは、より寒さの厳しい地域に向かうことになるので、考えてみれば南一択だ。寒いのはともかく、暑いのなら装備が少なくともなんとかなる気はするし。

「じゃ、これを持って行くといい」

 と、老人が取り出したのは名刺と、種類の違う飴玉が三つ。名刺には〈菊池政宗〉と言う名前と、住所と電話番号が書かれていた。肩書は〈菊池鉄工所所長〉。

「もう引退した身だけど、知り合いだけは多くてね。何か困ったことでもあったらそこに電話するといい」

「ありがとうございます」

 実は携帯電話も解約して置いてきたので、電話をかけるには公衆電話を探さないといけないが――断るのもなんなので、有り難く受け取っておく。

「ところで、名前くらいは訊いておいていいかな?」

 言われて、名のってないことにようやく気がついた。

「佐々良ひさめ。ひさめと言います」

 それは本名ではない。二度と本名は使わないと、今朝、家を出る時に決めてきた。

 新しい名前を、初めて他人に名のった。それがこの瞬間だった。


 菊池さんと犬と別れ、わたしは歩きながら、もらった飴玉からニッキ飴を選んで舐めた。甘みと一緒に、きつ過ぎないけど目の覚めるような辛さが口に広がる。ニッキ飴はあまり好きな方ではなかったけど、味に変化があった方がいい。

 一人と一匹を初めて目にしたときからもやもやしていたけれど、なぜかその姿に見覚えがある気がしていた。歩きながら考えて、その理由を思い出す。かつて見た夢の中に、同じ姿を見たのだ。

 確か、その夢の中は文明の崩壊した未来世界で。菊池さんが運転していたバスをギャングが襲い、バスから菊池さんと犬が出てきて、わたしたちがギャングを撃退した。

 夢の中で会った人物と出会う。なんとも荒唐無稽過ぎて、わたしは苦笑した。いくらなんでも妄想が過ぎる、きっとどこかで記憶がねじ曲がっているのだろう。

 苦笑ついでに気がついた。そろそろ靴が重くなってきている。砂というのは、普通に歩いていても靴の中に入り込んでくる点ではなかなかの厄介者だ。

 靴を左右順番に脱いで砂を払う間に、だいぶ陽が傾いているのを実感する。行く手には小さく黒い岩場が見え、この砂浜の終点を告げていた。そろそろ、どこで夜を過ごすか考えないといけない。

 あの岩場の手前で一夜を過ごすと決めるのは、ちょっと時間が早過ぎるだろうか。色々と準備していなかったわたしでも幸い忘れずつけてきたアナログの腕時計は、午後四時過ぎをさしている。

 砂の上に敷物を敷いて上着を毛布代わりにリュックを枕代わりに、というのは風情はあるけど寝にくそうだ。夕日に染まりかけた空には雲がかかり始めていて、不気味。天候が崩れたら想像以上に寒くなるかもしれない。

 砂浜が途切れたらしばらく道路脇を通らないといけないはず。その前に一泊したいものだけど、この辺りに人目につかずに野宿できるような場所なんてあったかな。

 ――ん、そうだ。

 何も、野宿そのものにこだわることはない。確か、ここからそう遠くないところに無人駅があるはず。利用者はせいぜい存在したとして一日に数人。最近はいわゆる〈秘境駅〉目当ての旅行者なんてのもいるし、長居しても不審には見られないだろう。

 やっぱり屋根と壁があれば体感気温などもだいぶマシに感じられるはず。

 口の中ですでに欠片ほどになっていた飴を噛み潰し、砂浜から草がまばらな芝生に登る。コンクリートの堤防の端にある小さな階段の上、そばを通る車道は結構車の通行が多いものの、歩く人の姿はない。道路を横断し、向かい側へ渡って少し歩いたところに駅への道があった。

 両脇に手入れされていない草木が生い茂る、舗装もされていない車一台分の幅の道だ。行く手には夕日に染まる山並みが見えて、妙に郷愁を誘う。

 思えば遠くに来たもんだ。

 ――なんて、嘘。実はまだ今までの生活圏を全然離れてはいない。家の最寄駅から数駅か離れただけで、列車を使えばせいぜい一時間も経たないうちに移動できる距離だ。文明の利器って凄いというか、徒歩なんてこの程度というか。それでも数十キロメートルは移動してはいるが。

 ともかく、意外に綺麗だけど小さな無人駅とプラットホームが見えると少し安心した。ホームは屋根も何もなく、その向こうは林に草原。駅は青い列車の一両を模したもので、狭くて天井も低いけれどちゃんと屋根も窓もドアもあるだけで充分。

 何より、窓からベンチが見えたのが嬉しい。この旅を初めて早くも、椅子に座れるのは貴重だと気づいた。

 無人駅に入ると、ほっと息を吐きながら木のベンチに腰を下ろす。リュックを下ろし熱を持った脚を揉みほぐした。毎日筋肉痛になっているようじゃ旅を続けられない。でも、いくらケアしようが多少は痛むだろうなぁ。

 ストレッチをしながら、狭い駅の中を見渡す。蜘蛛の巣ひとつなくきちんと掃除もされているようだし、壁も割と最近張り替えられた様子。思ったより快適に過ごせそう。ちょっと暗いんじゃないかと思ったりもしたけど、照明はひとつだけあった。

 待合室の端のドアの窓からは、左右にドアが見える。近づくと、一方は用具置き場。もう一方はトイレのマークが見えて安心していたのだけど――

 目に入ったのは、〈故障中〉という貼り紙と南京錠。公衆トイレが近くにあるわけでもないのに、なんて理不尽な……。

 まあ、世の中理不尽なことにあふれているものだ。そろそろ正職員に、と言われていた職場を失い、しばらくはゆっくり休んでいてもいいよね――と甘いことを考えながら家でゴロゴロしていたわたしが生き残り、真っ当に働いている親弟妹が買い物に出かけた末に交通事故死する、これほど理不尽な現実が実現してるんだから、今さら何が起きたって驚くことはない。

 どうせ誰も見てはいない。トイレはしたくなったらその辺の茂みででもしよう。出すことを考える前にまず腹ごしらえだ。

 百円ショップで買ったパンとペットボトルの水。昼と同じ種類の食事。パンは昼はチーズとハムのパンで、夕食はふたつ入りのパンのひとつ、クリームパンだけど。

 小さなパンを時間をかけて食べているうちに、すっかり暗くなった。五時を過ぎると待合室の照明と外の電柱に備え付けられた街灯が点灯し、結構明るい。夏は羽虫に悩まされそうだけど、幸い今はその季節じゃない。

 食べ終えると、口の中が気になる。一応水ですすぐくらいはできるけど、歯ブラシは必要かも。それと、寝袋くらいは持ってくるべきだったかもしれない。非常にかさばるけど。

 歯をティッシュと水でできる限り綺麗にすると、リュックを枕に、敷物を敷いたベンチに横になる。安い敷物は薄く、ちょっと硬いけど寝れないほどじゃないだろう。なにしろ、疲れたせいか横になると眠気が増してきた。

 ふと思い出す。キシリトール入りの飴がポケットにあったはず。手を入れて適当につまみ出すと、指先に見えたのは菊池さんにもらった塩飴だ。

 目的の物とは違う。でも、正直探しなおすのも面倒だ。正確に見つけるなら起きてポケットを覗くか、ポケットの物を一旦出さなければならない。

 歯を綺麗にした後だというのに、塩飴で我慢することにした。どうせ、少し塩分が入るくらいで、そんなに虫歯菌は元気にならないだろう……たぶん。いや、知らんけど。

 塩飴を口に入れ、照明から顔を背けて横向きに寝る。塩気のある淡い甘さを味わいながらそのうちに寝落ちる。その瞬間は、思ったより早く来た。


 睡魔に襲われ、寝落ちてからどれくらいか。時間感覚はすっかり消えていて、しかも手や頬に当たる柔らかい感触がまったく記憶にないものだったから、少しの混乱した。

 目を開けると、そこはまばらに木の生えた草原。遠くには緑の山並みと草原が見える。

 日影を認識して見上げると、巨大な木が豊かに葉を茂らせた枝を伸ばしている。

 ――そうか、夢か。

 夢を認識するのもわたしには珍しいことじゃない。夢を認識して、空を自由に飛ぶ夢を何度も見ていたくらいだし。

 巨木の根もとから少し離れ、空を見上げる。雲ひとつない青空。

『ようこそ、〈第五世界の二重線〉へ』

 どこからともなく、平坦な声。

「誰……?」

『新規ログインに感謝します。これより、あなたの基本能力を設定します』

 にこやかな女性が思い浮かぶ。愛想は良さそうなのに質問には答えず続ける様子は、乗り物のアナウンスみたい。

『主要バトルスキルを選んでください』

 声が流れるなり、十個近い赤い宝箱が草の上にぽんっと出現して並ぶ。宝箱には絵柄と文字が刻まれていた。

 もしかして、これはゲームの夢か。仮想現実で冒険を楽しむような、VRゲームの端末というのは電気屋さんで試したことがある。この夢の草原はあのとき見た風景に似ていた。

 あのゲームでは、選ぶのは数字だったけども。宝箱に書かれているのは〈怪力〉〈投擲〉〈射撃〉〈脚力〉〈棒術〉などで、武器がもらえるわけではないらしい。わたしは敵に近づかなくて良さそうな〈投擲〉にした。〈射撃〉はたぶん、夢の中でもなければ武器が手に入らないだろうという、妙に現実世界視点的な判断から。

 目的の宝箱に触れると、それが白く光る。

『次に、主要特殊能力をふたつ選んでください。同じ能力を二度選ぶとその能力が強化されます』

 宝箱は消え、今度はズラリとパネルが降ってきた。パネルにはやはり、絵柄と文字。

 夢だと思いつつも、ちょっと楽しい。わたしはゲームでも、ストーリーを進めるより能力を考えているときの方が楽しかったりするタイプだ。

 縦に四列、横十列近いパネルを目で探し――あった。〈飛行能力〉。二度選ぶと強化されるそうだけど、もっと高く速く飛べるようになるのか? それは別にいいや、と〈透明化〉をふたつ目にした。姿を消して飛べる、これもなんて現実的な能力。

 姿を消すのはデメリットもあるけども。助けが必要なときに助けてもらえなかったり。

『バトルスキル、〈投擲〉。特殊能力、〈飛行能力〉と〈透明化〉。以上でよろしいですか?』

「はい」

 これが本当のゲームなら、もう少し特殊能力について解説を聞いてから決めるところだけど、どうせ夢だ。あっさりそう答える。

『それでは、引き続き〈第五世界の二重線〉をお楽しみください。ホームフィールドへのログイン方法を変更する場合はこちらに今お申し付けください』

「ログイン方法って?」

 今、と言われるとこれを逃すといけない気分になって食いつきたくなる。

『現在のログイン方法は、こちらを摂取する方法にいなっています』

 ブン、と目の前の空間に画面が広がった。そこには見覚えのあるものが黒い背景に浮かんでいる。

 どうやら、このホームフィールドとやらにログインする方法は塩飴を食べることになっているようだ。

 ――夢のくせに、妙にリアルな方法だ。

 納得と感心を覚えたのを切欠に意識は眠気まじりの闇の中へと落ちていった。

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