第8話

時は、午前11時50分頃であった。


ところ変わって、熱田神宮付近・地下鉄神宮西駅のすぐ近くにあるひつまぶし屋にて…


店の奥座敷に、華保かほ華保かほと同居している家族たちがいた。


華保かほは、両親・仁村和義にむらかずよし里保りほ(70代)、姉・木俣里英きまたりえ(44歳)と夫・木俣英二きまたえいじ(42歳・万年ヒラ)とメイゴ・亜香里あかり(小学3年)と美奈みな(4つ)とシングルの弟(24歳・大学生)と同居していた。


このうち、シングルの弟は大学を勝手に休学したあげくに大きな冒険に挑戦すると言うて家出したあと消息不明になったあと和義によって戸籍せきを外された…ので、家にいなかった。


なので、実際に家で暮らしている家族の人数は華保かほを入れて7人である。


話は変わって…


一家7人は、午前11時頃に店舗ここにやって来たあと、房江ふさえたち家族が来店する時を待っていた。


この時、里英りえの横に座っている美奈みながつらい表情で里英りえに言うた。


「ママ…ママ…」

美奈みな。」

「ママ、おうちに帰りたい…」

「ごめんね。」

「(ものすごくつらい声で言う)なんでここへ来たのよ?」

「だから、おじいちゃんが家族みんなでごはん食べに行きたいと言うたからここへ来たのよ。」


和義かずよしは、ものすごくつらい声で美奈みなに言うた。


「こらえてーな…おじいちゃんは家族みんなでお出かけじゃないと楽しくないんだよ…」


和義かずよしの端にいる里保りほは、ものすごくあつかましい声で言うた。


「あなた!!」

「なんやねん…」

「もう一回電話してよ!!」

「どこへ電話するんぞ…」

涌井わくいの奥さまに電話してよ!!」

涌井わくいの奥さまは、こちらへ向かっているといよったよ…」

「あなた!!」

「なんぞぉ〜」

「ヤクソクの時間は12時よ!!」

「分かってんねん…」

「電話してよ!!」

「分かった…」


ものすごくつらい表情を浮かべている和義かずよしは、ふたつ折りのフォーマを取り出したあと電話をかけようとした。


そこへ、房江ふさえが奥座敷にやって来た。


「おくれてすみませんでした~」


房江ふさえは、ものすごくものすごくもうしわけない声で華保かほの家族たちに言うた。


この時、里英りえが怒った声で『おそいわよ!!』と言うた。


里保りほは、泣きそうな声で里英りえに言うた。


里英りえ、なんで涌井わくいの奥さまに怒るのよ~」

「ヤクソクの時間に遅れてきたから怒ったのよ!!」


和義かずよしは、泣きそうな声で里英りえに言うた。


里英りえ涌井わくいの奥さまは悪気があっておくれたのじゃないのだよ…」


里英りえは、ものすごく怒った声で和義かずよしを怒鳴りつけた。


「ますますはぐいたらしいわね!!おとーさん!!」

「なんやねん…」

「きょう、亜香里あかりはガッコーのお友だちと合う予定があったのよ!!」

「だから予定を変更して悪かった…」

「おとーさん!!」


里保りほは、ものすごく泣きそうな声で里英りえに言うた。


「なんでおとーさんばかりをせめるのよ…」


里英りえは、ものすごく怒った声で里保りほに言うた。


「おかーさんは入らないでよ!!」


里保りほは、ものすごく泣きそうな声で里英りえに言うた。


里英りえ、落ちついてよ…きょうは華保かほが犯したあやまちをわびるためにここに来たのよ…おかーさんとおとーさんはしんどい思いをしているのよ…」

「ふざけるな!!」


(パチーン!!)


ものすごくブチ切れた里英りえは、華保かほの顔を平手打ちで激しく叩いた。


「いたい!!」


和義かずよしは、泣きそうな声で里英りえに言うた。


里英りえ…なんで華保かほをたたくのだ…」


思い切りブチ切れた里英りえは、ものすごく怒った声で和義かずよしに言うた。


華保かほ家族うちら4人の人生をめちゃくちゃに壊したから叩いた!!」


房江ふさえは、ものすごく困った声で里英りえに言うた。


「ちょっと、なんで妹さんを叩くのよ…」


里英りえは、ものすごく怒った声で房江ふさえに言うた。


「やかましい!!華保かほは大きらいだから叩くしかないのよ!!」


房江ふさえは、ますます泣きそうな声で里英りえに言うた。


「妹さんにどんな落ち度があると言いたいのよ…」


里英りえは、ものすごく怒った声で理由を言うた。


華保かほは東京の大学で華のキャンパスライフをおうかした…うちはガマンして名古屋じもと三流短大チョーダメタンに行った末にマンネンヒラで前妻よめに逃げられたバカ男しかいなかったのよ!!」


『バカ男』と言われた英二えいじは、ものすごく怒った声で里英りえに言うた。


「なんや!!バカとはなんや!!」

「やかましい!!マンネンヒラのケーヤク!!」

「なんやオドレ!!ぶっ殺してやる!!」


房江ふさえは、ものすごく困った声で里英りえに言うた。


「ちょっとやめてよ!!」


里英りえは、ものすごく怒った声で房江ふさえに言うた。


華保かほは、東京の大学を卒業したあとにテレビ局に入社したのよ!!…入社してから一年後に、夜のニュース番組でスポーツキャスターしていたのよ!!その時に、男性のキャスターから公開プロポーズされたのよ!!公開プロポーズのせいで、うちは勤めていた会社をクビになったのよ!!」


この時、和義かずよしがつらい声で里英りえに言うた。


「だからあのときは、ワシラが東京のテレビ局に出向いて…」

「やかましい!!」


思い切りブチ切れた里英りえは、華保かほの髪の毛を思い切りつかんで引っ張った。


「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい!!」


たまりかねた里保りほは、泣きそうな声で里英りえに言うた。


里英りえ、やめて!!」

「やかましい!!華保かほの公開プロポーズのせいでうちの人生がズタズタになったのよ!!」

「だから、あのときは男性アナウンサーさんが華保かほと結婚したかったから…」

「やかましい!!」


(パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!)


思い切りブチ切れた里英りえは、華保かほの顔を平手打ちで50回以上叩いた。


「ワーッ!!」


華保かほは、よりし烈な声で泣き叫んだ。


見かねた房江ふさえは、家族たちを冷めた目つきでにらみつけたあと店から出た。


なんなのよ一体もう…


仁村にむらの家の人たちは、話し合いができないみたいね…


やむなく予定を変更したうちらの気持ちをわかってよ…

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