coeurcrepe2023初夏コンセプトストーリー
クールクレープ
第1話
彼はクラスのお調子者。
明るくてスポーツもできてその場を盛り上げる根っからの陽キャ。
そんなアイツが私は苦手だった。
桜色は小川のせせらぎに流れ淡い緑が深緑へ色彩を変える初夏の夕暮れ。
部活を終え窓の外を見ると五月雲が淡い薄紅色に染まりかけている。
「今日はラッキーデーかも」
私は急いで帰り支度をすませ鞄を手に急いだ。
正門の前から住宅街の間を真っ直ぐに伸びている長い坂道。
そのちょうど真ん中に夕陽がのぞいている。
「やった!今日が一番見頃かもね」
私は嬉しくなってしばらく坂の上からその自然からの贈り物を眺めていた。
夕陽の角度が絶妙なタイミングになると真っ直ぐに伸びている道路に夕陽が反射して金色に輝いて見える。雲間から日が差す「天使の梯子」というものがあるがこれはさしずめ「夕陽への梯子」といったところだろうか。まるで夕陽に向かって昇っていくような感覚になる。そして夕闇が深まるにつれ連なる家並みが影絵のように黒く沈んでいき坂道だけがずーっと先まで伸びる金の道になる。
太陽の位置や角度が大事だから年中見ることは出来ないその景色を噛みしめるように眺めながらゆっくり坂道を降りてゆく。
その坂道の途中に人影が見えた。
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