未来から来た彼女

第51話 一緒に組まない？

蔡決明（サイキヨアキ）の一重の目は美しくありません。

最近韓流スターが人気で、その関係で一重の男性がイケメンと思っている人が多いようだが、ただ、実際の一重の目が細長いため、顔の輪郭との相性が結構バランスが要求されてしまい、なかなかイケメンレベルの人が少ない。

しかし、蔡決明（サイキヨアキ）は眉毛と一重の目はバランスが取れていて、その組み合わせで、独特のスタイルを持っているため、顔がスッキリしたイケメンという印象が与えている。

蔡決明（サイキヨアキ）は眉を上げ、手の中の俺の星月菩提珠（せいげつぼだいじゅ）

のブレスレットを撫でながら言った。

「俺さ手にオブジェクトを遊ぶのが好きでさ、君がこれをずっと回しているのをみると、面白い人だなと思って、思わず声をかけたの」

「そうするなら、がっかりさせてしまうかも、このブレスレットは観光地で買ったもので、品質がわからないさ、ただ、すきだから手にしているだけさ」

俺が説明を終えると、蔡決明（サイキヨアキ）の手が突然止まり、話さず不思議そうに俺を見て、そして、彼の見つめて少し慌てた俺だが、やはり話さなかった。

二人は目と目で数分間見つめあったが、最終的に一重の少年は我慢できずにこう言った。

「あのさ、一緒に組まない？」

「いいの？もう少し話さない？」と俺がお世辞で言い返した。

蔡決明（サイキヨアキ）はブレスレットを返し、品質については何も言わずに、ただ俺をまっすぐに見てこう言った。

「いいよ、実はずっと前から君を見つめた」

「あのさ、芸術関係は性格が豊かと理解しているが、ただ、俺は女性が好きだから、男には興味ないよ」

「おい、俺も男には興味ないからな！」と蔡決明（サイキヨアキ）は苦笑いしながら否定してくれた。

「あのさ、正直に言うと、俺さ、人相占いに結構興味があってさ」

「そんなものをできるのか？」

「そうよ、俺の祖父は生涯ずっと人相占いしていったからなぁ！」

「まじ、家系的なプロじゃん！」

「それより、父が写真館を開き、生涯証明写真や結婚写真も撮っていったから」

「ということは、撮影学科を選んだのもお父様のキャリアを受け継ぎ、時代に合わせて進んでいくということだね！」

蔡決明（サイキヨアキ）の北京訛りが強すぎるため、俺も無意識のうちに彼と漫才のコンビのようなやり取りが始まってしまった。

「とにかく、うち三世代にわたって、この人の『顔』が頭から離れなく、子供の頃から……」

彼は更にくだらない話をしようとしたが、俺がすぐに立ち止まって尋ねた。

「じゃあ、俺の顔から何か見えるの？？」

蔡決明（サイキヨアキ）は2秒間の沈黙の後、ため息をしながら首を横に振った。

「ただ、面白いと思うだけ、俺の能力がまだ不十分だからさ」

俺は彼の真剣さからこの話しは嘘ではないことだけがわかった。すると、彼に本題を言い始めた。

「まあ、それはそうだね、ただ、今の試験は占いではないからさ、重要なのは、後で何かを撮影できるか」

蔡決明（サイキヨアキ）はそれを聞いて、思わず手をあげて、保証するように俺に「心配しないで、撮影といえば、家系的なプロだから」と誓った。

それであり？証明写真屋の二代目ってすごい！？よね！？

しばらく雑談した後、二人は隣のリハーサル室に行き、機材を見てから決めることにした。

映画学院は一流のアカデミー学校として、学生が使用する機材に本当にゴージャスだと言わざるを得ません。

ソニーのミラーレスA7S3からプロレベルのFS7、そしてハイレベルのARRI アレクサMINIカメラに至るまで、これらは全部取り出して、ガキのためなんて流石だなぁ！

ただ、取り出すのと使用するは別で、良い器械を使いたいと思う人は多いですが、その前提条件となるのが管理人の審査に合格することです。

管理人は各貸出機器を記録し、その人がちゃんと使用されることを確認したのみ貸出完了となる。更にその人に対して評価点数も着けているようだ。

この評価点数はおそらく撮影学科と監督学科の受験者のみを対象としています。

「何を撮るの？」

「使えるの？」

二人は声を合わせて話した。蔡決明（サイキヨアキ）はFS7を指さした。

「休暇中に、俺が撮影クルーのカメラアシスタントとして働いていました。これを最もよく使いました。高いラチチュードと広い色域は、通常のミニ機とは比較できない、グレーのフィルム素材は曲線を描くだけで十分だし、少し色を調整すれば、映画の雰囲気ができるぞ」

俺が、ライトとトラック三脚を持った二人の横を通り過ぎるいくつかのグループの受験者を見て突っ込んだ。

「撮影クルーなら、照明を担当するスタッフだけで十数人だし、美術セットを加えて、そんな環境でどのような機械を使っても映画のような雰囲気が撮影できるよ」

蔡決明（サイキヨアキ）がそれを聞いて頷いた。

「そうだね、24 時間しかない中で、照明や美術セットに時間を費やす場合、画質は良くなるかも、ただ、時間は限られているなからで、ストーリのほうが重視か、それとも画質を重視かを決めないと、しかも最後の編集時間も考えないとね」

「そうね、これからの質問がばかばかしいかもしれないが、やはり聞きたい、つまり俺が全部やりたいのはやっぱり無理なの？」

蔡決明（サイキヨアキ）はそれを聞いて、首を振った。

「あのさ、今は何を撮ろうかですら考えでないのに、たとえそれを決まったとしても、あそこにいる鼻が天狗となっている演劇学科の美男美女たちに、三脚を持ち歩き、スライドカーを押してくれることを当てになれる？」

「先のグループを見たでしょう、やっぱり難しいと思うから、あまり無理しないほうがいいよ」

「じゃあ、撮影の負担を軽減する方法はないの？」と俺は顎を触りながら聞いた。

「あるよ！」

蔡決明（サイキヨアキ）は横にあるミラーレスカメラに向かって「A7S3、これなら何でも綺麗に撮れるから、今回のショットビデオ作品には間違いなく十分すぎると思う。」

「画質は4k120フレームで、サイズも小さいし、後で固定機を設定すれば、俺が押したり引いたりすれば、あらゆる軌道レンズも調整できるし、そうすれば、スライドカーなどもいらないしさ」

「うん、じゃあこいつに決定、それに35、55、85 の単焦点レンズも各一つにしよう」

「OK」

蔡決明（サイキヨアキ）が機材を借り、二人は再びリハーサルホールに戻り、退屈そうに隅にあぐらをかいて座っていた。

二時間が経過し、リハーサル会場には人が少なくなり、隣の教室からはすでに撮影のセリフが聞こえてきましたが、ただ、また丁寧にやろうと思っている人が大半で、その中の一人は、黎望（レイノゾム）でした。

彼は自分が作成した台本をチームメンバーに丁寧に説明し、すべての立ち位置、すべてのカットを細かく説明をしている、まるで、この台本がすでに彼の頭に刻み込まれたかのように、今はそれを伝えるだけだった。

さすがにその場にいる生徒たちに認められた大魔王のチームだ。即席で組み合わせたグループからは羨ましく見ているものが少なくない。

それに対して、多くの監督学科の受験者は、芝居の話を説明すらうまくなく、つまり、まだ何を撮るかは決まっていないだ。

蔡決明（サイキヨアキ）は撮影器械を取り付けし持ちながら、撮影の効果を見るために、数回歩き回った。

「俺らって、今何をしているの？」

「待つのだ！」

「待つ？誰を？」

俺は片手で拳を握り、額を叩いて「アイデアだ」と言い返した。すると、蔡決明（サイキヨアキ）は立ち止まり、機械を置き、俺の隣に座り直した。