第10話 悪役令嬢×陰キャオタク

「ドー、ラー~」


ノブを指で軽くひねり、数回チューニングした後、俺は恥ずかしそうに微笑み、彼女にそっと言い始めた。


「高二から弾いてないから、間違ったら笑わないでね!」


すると、指が滑りゆっくりと目を閉じ、あのペン回すですらうまくいかない少年は、滑らかにギターを弾けるなんで、誰も思ってなった!


とてもメロディックなイントロが終わった後、右の人差し指は指がアルペジオを奏でると同時に、親指の指球をギターの箱にぶつかった。


太鼓のようなビートと弦のはじきが絡み合い、指の間にフィンガーピッキングスタイルでOrangestarの「Sunflower」が突然咲き始めた。(※1)


この曲は君の体の香りによく合うよ!


と俺がそう思った!


俺は思ったことを表に出すタイプじゃないから、音楽がそれを表すことが彼のやり方であった。


温涼ウェンスズミは少年を夢中に見つめていた。


彼がギター弾く姿はこれが初めてだった。あまり知られていない彼の一面を見たのも初めてだった!


指で板を叩き、弦を叩き、12フレットの倍音を弾くたびに、これらの高度ではないが単純ではないギターテクニックは、俺によってほとんどマスターされている。


フィンガーピッキングについて、何も知らない人がおそらく、これってギターだけで弾ける曲なのと驚かれるでしょう。


ポピュラーソングの馴染みのあるコードに比べて、フィンガーピッキングギターの純粋な音楽ベースのメロディーは豊かすぎるからだ。


そして今の彼は、いつも違って魅力的な輝きを放っているように見えた。


彼は真面目なところ、かなりなイケメンじゃん!


最後の音色が徐々に消えると、店長の朴さんの拍手が、まだ後味に浸っていた二人を現実に取り戻した。


「ギターがこんなに上手とは思いもしなかったわ、というか、なんで前に言わなかったの?」と彼女も手をたたきながら笑顔で聞いた。


俺は少々びっくりした。


ということは、未来の自分はギターとの関係を完全に失ったのか?


「そうよ、天然くん、あのアカウントもう1年も更新してなかったよね?せっかくフォロワーが20万もいるのに、本当に捨てるの?」


おデブの朴店長も俺に愚痴を言い始めた。


温涼ウェンスズミはそれを聞いて目を疑った!


「20万人のフォロワー?」


「知らなかったの?」


店長の朴さんの顔は驚きに満ちていて、俺の明らかな合図を見て、朴さんが頷くながら微笑んで言った。


「こいつインフルエンサーだよ、フィンガーピッキングスタイル好きなグループではトップレベルの一人だったよ!」


朴店長は彼女の信じられない顔をみて、携帯を取り出し、俺のアカウントを見つけて彼女に渡した。


温涼ウェンスズミがそれを手に取って見てみると、NaturaLというユーザー名が表示されていました。


フォロワー数は223,000人、投稿数は57、平均再生回数は5万回以上、トップ動画の再生回数は542万回!


すごい!


「ファンはよく天然くんをNくんとかNLとも呼んでいった。ほぼ毎日一年も姿を消したからいつ戻ってくるの?などのメッセージを残していった」


「もし彼らはNLが口下手なオタクだと知っていれば、はおそらく驚くだろうなぁ!」


店長の朴さんは俺の秘密を吐き出し、温涼ウェンスズミがじっと携帯の画面を見ていった。


朴店長は更に意気揚々と俺に合図を送りながら声を出さずに言いました。


「君へのサポートだぜ!!」


俺は今死にたいほどはずかしかった。


「見るものは何もない、行こう。」とギターを置き、急いで温涼ウェンスズミのそばに行き解釈した。


話が終わった後、俺は一人で立ち去ろうとしたが、温涼ウェンスズミはそのような機会を与えず腕をつかんだ。


「良いことじゃん!なんで私に教えてくれなかったの?というか、その後何でギターを弾かなかったの?」


温涼ウェンスズミは眉をひそめて尋ねた。


すると、俺のそばにいった店長の朴さんからも話しを割り込んだ。


「そうよう、今は高三で勉強が忙しいってわかっているが、一年前はまだ二年じゃん?俺の店でたくさんのゲームソフトと交換していたし、ゲームをする時間が結構あるのに」


「この話をしたくない。今日はたまたま…」と俺の耳が赤くなっていました。


俺が苦しんでいるのを見て,温涼ウェンスズミは心に何かが隠しているに違いないとわかっていった。


「いいわよ、言わないなら聞かない」


彼女は自分にがっかりした店長の朴さんを無視し、俺が先程弾いたヤマハの赤いラベルに向いてあごを上げ、「朴さん、それいくらですか?」と聞いた。


おデブの朴さんは、目の前の女の子がこんなに話しを飛び跳ねるのを思いもしなかった。


少し混乱しそうに、「あれ、あれはヤマハFG5、30万程だけと、お嬢ちゃん初心者ならそんなに高いものを買わなくていいよ、他に初心者向けは何個が…」


「いいえ、これでいい。支払いはどこ?」すると温涼ウェンスズミは携帯を取り出して、支払う準備をしました。


俺はいくら世間がわからなくでも、今は焦り始めた!


「温さん、何をしている!このギターは君には似合わないよ!」


温涼ウェンスズミは頭を向けて、「天然くんのことを干渉してなければ、私のことも構わないで」


「きみ……」


俺が一瞬黙り込んで、ただ、彼女が値引きもせず代金を支払ったのを見つめた。


朴さんは喜んで革バックを取り出し、ギターを詰めた。


温涼ウェンスズミがそれを手に入れた後、すぐに俺に渡した!


「プレゼント!」


「まじ?!」


この光景を見て、朴店長さんは思わず叫び、興味深く高い椅子に座り、まるで噂話をみる観客のように彼らをじっとみつめていた。


「いや……これは……高すぎる!こうしよう、先の香水を買ってくれ……」


俺はギターを両手で抱え、困っている顔をした。


「店長さん、このギター返品できの?」と温涼ウェンスズミは彼を見て大声で聞いた。



この時、馬鹿でも空気を読めるだろう!


おデブの朴店長さんは携帯を持って思わず録画しながら、「いいえ、返金できません」と答えました。


温涼ウェンスズミは肩を下ろし、しょうがなく「ほらね、聞いたでしょう!こっちはギターを弾けないし、もし返されたらすぐにぶち壊すよ!」


壊す!?

30万円のものを?


お金が命ほど慎重にしている俺にとっては、彼女の性格なら100%できると感じていった。


たが、こんな高価なものをもらうなんで身が重く感じる。


すると、温涼ウェンスズミからいい提案があった。


「無駄じゃない、一つの約束をしてくれるならば」


「何?」


慎重で神経質な少年の表情を見て、温涼ウェンスズミの口の端に甘い弧が描かれました。


「これから何が起こっても、私の言うことを聞いて、逃げない、拒否もしない!」


「俺……」


「安心して、ありえないことを言わないから、まあ、30万円の価値に相当なことだけさ、いつかその価値に達したら、私の言うことを聞かなくていい」


俺の耳はさらに赤くなり、まだ悩んでいった様子。


隣にいる観客の店長はそれを聞いて、足元をジャンプしたいほどだった。


この世には、こんなに強引な売買ってあるのか?


なぜ、天然くんだけ?


こんな夢のような光景は30年以上経験したことがない!


若くて美しい悪役令嬢のように強気で、恥ずかしがり屋で陰キャのオタクとイチャイチャしっている!


ああ、おデブのオタク店長は、乙女心が復活したような気がして、携帯を持つ手が微かに震えた。


「わかった…じゃあ、約束する…」


なんともなんとも考えた末、俺はようやく頷いた。


それを聞いた温涼ウェンスズミは嬉しそうに両手をあわせた。


まるで彼女がプレゼントをもらったように、そして、俺の背中を押しながらお店の店長の前に立ち止まった。


「何をするの?」


俺が慌てて尋ねると、少女は後ろから半分笑顔を見せ、舌を突き出して言った。


「まずは店長である友達と値段交渉だ。だって30万円は高すぎるでしょう!」


「……」


店長の朴さんの笑顔が凍りついた。


何故ならば、天然くんのお金を大事にする性格をよく知っていった。


―――

※1Orangestarの「Sunflower」よかったら聞いてください。

https://www.youtube.com/watch?v=-wzLZ6Ti7-Q

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