第2話 「一ヶ月の間、私と付き合ってよ」

屋上に着くと、そこには凛花さんがいた。近づくと、どうやらこちら側に気づいたようで、こちら側を向いた。そして緊張しているらしく、表情も固い。

「ところで、話ってなに?朝の続き?」

「ううん、ちがうの。もっともっと大事な話。」

それを聞いて僕は心の中で首を傾げた。

(なんか僕、凛花さんに対してやったかなぁ?)

なんて考えていると、凛花さんが意を決したらしく、口を開いた

「一ヶ月の間、私と付き合ってください!」

「へ?」

僕の頭の中ではクエスチョンマークが浮かんでいる。1ヶ月?付き合う?一体どう言う事?

「えっと、付き合うって、恋人になるって言うこと?」

「そうですね」

「1ヶ月の間?」

「はい、というか出来るだけ長くですね」

「1つ聞きたいんだけど、これは罰ゲーム?それとも僕が好きなの?」

「そうですね、後者です。」

「ちなみにきっかけなんて教えていただいたり…」

「私と付き合ってくれたら話してあげます」

「で、どうするんですか?」

僕は迷わずに答えた

「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

僕が迷わずに答えたのには訳がある。ここまで言ってこなかったが、実は凛花さんは僕の初恋なのだ。そんな人に告白されて断る人なんていないだろう。

「やった!」と凛花さんははしゃぐ。

そして笑顔で、

「今日からよろしくね!透くん!」

「こちらこそよろしく。凛花さん」

そして僕らは恋人同士になった。その後、連絡先交換をして、一緒に駅に向かった。

電車に乗って、次の駅で降りようとすると、彼女も降りようとしていた。

「あれ?凛花さんも同じ駅?」

「うん!そうだよ。透君はどこら辺に住んでるの?」

「えっと、僕は駅から3分くらい歩いたところにあるコンビニの隣のマンションだよ。」

「え?もしかしてそのコンビニの名前ってエイトイレブン?」

「うん、そうだよ。ひょっとして凛花さんも僕と同じマンション?」

「そうだよ!なんで今まで気づかなかったんだろうねー」

なんて言っていると、駅に着いた。

降りて、改札を抜けてから、僕たちは他愛もない話をしながら家へと歩いた。

マンションに着くと、僕は5階、彼女は7階の為、エレベーターで別れてそれぞれ自分の家に戻った。

家に入ると、手を洗ってうがいもすると、僕は早速明日の準備を始めた。

準備が終わり、お風呂に入ってきて、ご飯も食べると、スマホをいじり始める。すると、急に凛花さんの声が聴きたくなった。だから、僕は電話をかけようとすると、向こうから電話がかかってきた。電話に出ると、どうやら向こうも同じことを考えていたようだ。それから少し、雑談を楽しんだ。

「あ、もうこんな時間。また明日ねー」

「うん、バイバイ」

そう言って電話を切った。それから僕はベッドに入り、眠りについた。

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