第3話

レンガ造の道をさっき買ったりんごを齧りながら歩く。とても晴れていて気持ちの良い今日はとても賑やかでなにかイベントがある様だ。テントの下で酒を飲む人、お得意様と喋っているパン屋の店員、走る子供達、と笑顔で溢れていて皆自由に楽しんでいる。さて、着いた先には2人の友人。待ってくれずにもう飲んでいる様だ。ほろ酔いの2人に混ざり近況を話す。それはだんだんと昔話になり時間が過ぎるのが早くなってついさっきまで爽やかな青は橙色に染まっている。そろそろいくかと席を立ち解散かと思いきや気付けば雀荘に居た。しかも持ち点がもうない、下家はテンパっている。筋を読んだ俺の六索は当たり牌だ。ロン!と聞こえ開かれた手牌は緑一色。トんだ。何も考えられない。一瞬の沈黙の後、3人で大笑いをする。そんなことを考えながら深夜の腹痛に耐える。

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