呪いの血を受け継ぎし青年、今宵も妖魔討伐を承ります。

RYU

第1話 プロローグ

 ある日突然、異世界に召喚され『お前は、ただの人間ではない。魔王の血筋が入っている』と、言われたら、大抵の人は、頭が混乱してしまうことだろう。


 何故なら、殆どの人間は、自分のいる世界が全てでありその感覚で生きている。今いる世界から抜け出したい、違う世界に行ってみたいなどと言うことは、ふざけた事であり、馬鹿げているのだ。

 だが、どうしても夢見てしまう人も少なくはない。

 『今いる世界は、多数からなる内のほんの一つの世界に過ぎない』だとか、『世界は、無限に数多くのもろもろの世界だけが存在している』『世界とは、我々が知覚しているそのものである』等と言われているが、本当のことは、定かではない。



 


 そんな中ー、1つの世界に二人のそっくりさんが生きていた。


一人は、ごく普通の青年ーオズ。


 もう一人は、一見、ごく普通の青年だがーその正体は、転生し人として蘇った魔王。


 彼らは、双子でもドッペルゲンガーでもない。


 オズは、18の頃まで自分は普通の人間だと思いながら暮らしていた。しかし、それまでトラウマの連続だった。養父の正体が化け物であり、人を喰らいながら生きてきた。そして、謎の施設に預けられ突如出現した化け物に仲間を喰い殺された。それから養護施設に保護され暮らしてきたのだ。施設の人達はおだやかで優しい人ばかりだったが、奇妙な容貌から学校では馴染めず不良に苛めにあっていたこともあった。飼い犬を無惨に殺され、発狂し謎の力に目覚めた。


そんなある日のことー

それは、起きたのだった。 

施設を出た18の頃、突然、光に包まれた謎のゲートが開いた。

こうしてオズはこの世界に召喚された。

 そこで出逢ったのが、鮮やかなブロンドヘアの美少女だ。オズは、その少女との出逢いにより自分は普通の人間ではなく、魔王の血を受け継ぐ一族の末裔だと知らされたのだった。





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