赤くて汚いトイレ

トリスバリーヌオ

女目女目

 おおよそ人間の感性を持ち合わせていないであろうその女は、嗜虐的ともいえる笑顔を私に対して浮かべていた。


 白く清潔である便座は赤く染まり、これこそおおよそ人間が出せないであろう量の血が流れていた。


 私はその女から離れようとした。


 だが女はそうは思わなかったらしい。


 私の衣服が赤く染まっていく。

 彼女の衣服、肌、髪、私から見える全てが真っ赤に染まっていた。


 いや語弊があるのかもしれない。

 だって私は彼女が好きなんだから。


 いやこの表現だともっと語弊があるだろう、そうだな、ここで適切な表現と言えるものはなんだろう。


 私は彼女の瞳が好きだ。

 だからくりぬいた。

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