第8話 付き合いたくなったでも軽くフラれた

「つ、付き合いたい。。」

 

 もう後戻りできない・・・。私は夕ちゃんが本気で好きだ。あの笑顔のそばに居たい。そして触りたい。。もう気づいてしまったのだから止めようがない。触りたい。(触りたいっ!)


 でもなぁ、、まだ今日で出会って8日目なんだよね!今、告って上手くいく可能性を考えると低い。私は仕事は出来る方だ。可能性を高めてここだ!というときで攻めるべきだと佐々木として生きた人生の全経験値が言っている。


「佐々木さん♡」


 脳裏に浮かぶあの奇跡の声で呼ばれる自分の名前。


「佐々木で良かったぁ・・・。」(別の名前でも呼んでもらえたよ?)


 うん。まずは今より仲良くなることだよね。プライベートで会ったり、夕ちゃんにとってただのお客さんじゃなくなればいいんだ。特別な、、そう、特別な、、(触りたい)


 ご飯、一緒に行きたいって言ってくれたなぁ。誘ってみようかな。


 と、ここまでが8日目の夜、樹里が半身浴中に考えていたことである。ちなみに、カフェの名前で検索をかけたら求人募集に夕ちゃんの写真を見つけた。その写真を一番綺麗に印刷できる光沢用紙にプリントしてラミネートをかけたものがお風呂の壁に貼られていた。(ガチストーカー)


 そして、9日目の朝。(土曜日で樹里は休み)


 いつも通り早起きしてカフェに行く。レジには夕ちゃん♡♡が。


「おはようございます、佐々木さん。昨日はお仕事間に合いましたか?♡」


「う、うん。おかげさまで。」(おかげさまでサボりかけたが)


「良かったです♡ 今日は何にしますか?」


「あ、じゃあ、、アボガドシュリンプのサンドイッチと、カフェラテを。」


 い、言うぞ。言うよ?言っていい?いいよね?


「夕ちゃん、昨日はタイミング悪かったから、今度一緒にご飯行こうね?私、ご馳走するから。」


「え、いいんですか?わー嬉しいです♡」


 断られなかったー!良し、


「あ、じゃあ、私の名刺渡しておくね。連絡先、ここに書いてあるから。」


「わ。ありがとうございます♡ じゃあ、私のももらってください♪」


 やったー!夕ちゃんの名刺ゲット!連絡先げっとぉ!!!!!


 こうして、奇跡の連絡先交換を遂げた樹里は、席についてサンドイッチを食べてさも難しそうなビジネス本を読んだ。(かっこつけたいだけ)


 そして家に帰るとすぐに夕ちゃんの名刺を検証する。


「た、橘、、夕。。ふる、ふふるふる(震えてる)フルネームだぁ。。」


 すげぇな。フルネーム2文字だ。橘夕。かわいい♡(全てが可愛い)

 で、連絡先は、、え。。


「店の電話番号しか、、ない、、だと??」


 撃沈した。


 そしてその日、夕からの連絡はなかった。


 またしても軽くフラれた。しかし希望は繋いだ。

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