一緒に上位者殺しませんか?
@ARusK
序章 出会い 旅立ち時
第1話 初めの初め
この世界はどこからおかしくなったんだろう。私が産まれる前から?それとも私が産まれた後から?そんなことを考えてると頭がポヤーってする。雲一つない空に手を伸ばしてるような、心の中が満ちてない感じがする。
「私、何考えてるんだろ」
芝生の上に足を伸ばしながら、両手で上半身を支えて、透き通るような黄緑色をした小川を眺めながら私は言葉を漏らした。
私の名前一応教えておこっか。私はエータス•ニニ。呼ぶ時はニニでよろしくね。これでも十七歳です。えへん。容姿は…黒よりの茶髪をしてて、髪型はセミロングの髪を後ろで束ねて結んでます。服装は通ってる魔法学校の制服。着る人の魔力によって色合いが変わる素材で作られてるんだー。私の色は元の黒色に赤のラインが三本左胸から右の脇腹まで通ってる。私服はあんまり持ってないかな…。これくらいでいいかな?
今日は学校がお昼で終わって、今はのんびり川辺で過ごしてるところ。そんな私の背後から背の高い男の人が落ち着いた様子で話しかけてきた。
「君がニニさんかい?」
「え、はいそうですけど…」
低い声、だけどとっても耳に通りやすいような声。私は首を捻ってその人の方へと顔を向ける。第一印象、デッカ。私の身長164㎝なんだけど…この人180以上はある。うんあるね絶対。
「よかった、よかったようやく見つけれた〜」
息を大きく吐いてその人は安堵したような顔で下を向いた。ゆっくりと顔を上げて私と目が合う。綺麗な目だった。青色の角膜に、黄色の虹彩、瞳孔も角膜と同じような色をしていた。思わずその目に魅入った。息を吸うのを忘れちゃいそうな程の美しさ。
「僕はウルガヌ•ルーサー、魔法教会で神父をしている者だ」
「えーと…ルーサーさん。そんな人がどうして私に用が…?」
「事情は後で説明するけど…君にはこの世界に君臨している上位者を殺せる力がある。だから僕と一緒にこの世界を元通りにしてくれないか?」
「少し待ってください」
上位者を殺せる力ぁ?え、何それ知らないんだけど。それでこの人と世界元通りにするの?まぁ確かに…この世界は狂ってる。でも、そんないきなり夢物語みたいな事ってある?
「事情はよく分かんないですけど、私にそんな力があるんですか?上位者を殺せるだけの力が」
上位者については学校の授業で習った事がある。十二柱いる世界の調律者。その内の半分はもう死んでる。力だけは留まってるらしいけどね。だけどこの存在のせいで世界が狂ったって話はどの先生もしていた。人が触れちゃいけない禁忌っていう感じかな。
「あるから声をかけたん|だ。君の肉体には凄まじいモノがある。不定期にこの世界に産まれ落ちる封殺体…それが君だ」
「ふ、ふうさつたい…?」
「細かい話は目的地に行きながら話そうか」
「もしも私が…行かないって言ったらどうします?」
「それはそれだね。連れて行かずに僕一人で上位者を殺しに行くだけさ。教会の勅命だもの、破れないさ」
意外とあっさりしてるなぁこの人。目ばっかり注目してたけど顔立ち良いなぁ…イケメンだよイケメン。同級生達の顔が霞んじゃうね。服も神父服?っていうのかな、結婚式とかでみる見た目をしてる。
とりあえず私気になる。狂ったこの世界を元通りに出来るのならしてみたいかも。どうせ家に帰ったところで…たかが知れてる。だったら未知の世界に飛び込んでみた方が楽しそうじゃん。
「私行きます。楽しそうだし」
手が差し伸ばされた。男の人らしい立派な手だった。血管が浮き出てて、筋肉質なイメージをうけた。私はその手を取ってそこから立ち上がる。手を離して、スカートに付いた土や草を適当に払って足を踏み出す。
「今から向かうのは魔法教会さ。下準備とかしないといけない。魔法でささっと行こうか」
ルーサーさんが右手を開いて真っ直ぐに腕を伸ばす。その手の先から魔法陣が金色に輝きながら紡がれていく。まるで芸術品を見ているような気分だった。
「移動魔法、
私の前に出来上がったその魔法は新たな世界へと飛び込む私を歓迎してくれてるような気がした。これから始まるのは退屈しかなかった私の全てを変える物語。
その扉の先へと私は力強く飛び込んだ。
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