冷酷貴族の策謀~クズの俺が能力値MAXで異世界転生、クズレベルもMAXになったので悪逆非道の限りを尽くします

伊野部すぺく

第1話 謁見前に女を抱くクズ

 俺は馬車の中で揺られながら道行く美女を眺めていた。一人の少女に目が留まる。服装はあか抜けないがかなりの美少女だ。何より健康的なプリっとしたお尻が魅力的だ。恐らく農村から王都に上ってきたばかりの農家の娘だろう。


「おい、とめろ!」


 俺は御者に横柄に命令する。大公家の嫡男である俺が御者に遠慮するはずがない。俺はこのブタイッシュ王国最高位の貴族の家柄だ。大公より上の存在は王家しかない。もともとは大公家自体、王家からの分家である。


 ブタイッシュ剣技魔術総合学園を卒業後、俺は大公家を継ぐことが決まっている。俺は成績オールSの首席で今日ブタイッシュ総合学園を卒業した。午前中に卒業式があり俺は学生代表として答辞を読んだ。そして午後の国王特別表彰に出席するために、王城に向かっているところだ。


「私は大公家の嫡男サイネル・エリンドンと申します。お嬢さん、貴女のあまりのお美しさについ馬車を止めてしまいました」


「えっ?あっはい。えーと、光栄でございます……」


 女は消え入りそうな声で答えた。突然高貴な身分の男に声をかけられ、戸惑っているようだ。俺は相手の目を見つめると素早く魅了魔法をかける。


 なんといってもこの世界での俺の魔力値はレベル99の最高値だ。このくらいは造作ない。容姿レベルも99なので、俺に惚れない女はそうそういない。だが今は時間をかけたくない。魔法のほうが手っ取り早い。効果は即座に現れた。


「大公様……私を好きにしてください、覚悟はできています……」


「いい心意気だね、君の望み通りにしてあげよう。さあ、こちらに来たまえ」


 俺は路地裏で着衣のままの農民娘を堪能たんのうした後、馬車に戻った。


「さあ、さっさと馬車を走らせろ。国王陛下からの表彰に間に合わなかったらむちで打つからな!」


 馬車は土煙つちけむりを上げて王城に向かう。



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