幼馴染の従妹

二髪ハル

猫と従妹

「おぉいい火力」

「ニャー」

 高校1年でもう5月終盤。ゲームをしている中、中学の頃から飼っている猫のミミが鳴きながら俺、圭介けいすけの膝のところにピョンと飛び乗ってきた。

「なんだよミミ」

「ニャー!」

 と言って俺の膝で爪をたてて揉んできた。

「――っ!」

 モモにクリーンヒットしてめちゃくちゃ大ダメージを食らった。

 ……爪伸びていて爪を切りたいな。

 ミミの方を見てみるとゴロゴロと喉を鳴らしていた。

「ん~なに?」

 ニャーっニャーっ! と顔を触ろうとして爪を立ててきた。

「やめろミミお前の手はめちゃくちゃ痛んだからな……」

「ニャー!」

 喉元を触るとようやく落ち着きゴロゴロとまた唸っていた。

「……ミミの声をしたにゃ~」

「んっ?」

 声をした方を見てみるとミミを一緒に拾い隣の家に住む従妹の友利ともりが現れミミをジッと見ていた。

「ミミっ! 私だよ!」

「……ゴロゴロッ。ゴロゴロッ」

 友利ミミの名前を呼ばれても無反応だった。

「無視しないでぇミミ!」

 友利がミミのお腹に顔を埋めてきて画面がめちゃくちゃ見えづらい状態になってきた。

「ニャー……」

 ミミがめちゃくちゃ嫌そうな顔していた。

「ミミ〜〜やっぱりふわふわ……」

 手入れしてないでこのふわふわな自然。

「あっ毛玉。圭介、ハサミ取って」

「少しどいてくれ、ハサミなんて取れない」

「はーい。ミミおいで〜」

「ニャー……」

 俺のところからミミを引き離して友利が自分の膝の上に乗せて頭を撫でていた。俺は立ち上がりハサミを取り出すと友利のところに戻った。

「んにゃ〜にゃ〜。……にゃーミミ可愛いね♡」

 ……ゴロゴロ、ゴロゴロ。

 ミミもよっぽど嬉しいみたいで喉を鳴らしていた。

「んで、毛玉どこだ?」

「えっとお腹の辺り」

「了解しっかり押さえていろよ」

 ミミが手を構って欲しくこっちの方に猫パンチをしてきた。

「ほーい。毛玉取ってあげるねお手手はこっちね怪我すると危ないからね~」

 お腹の方を取り色々と毛玉になってないか触ってみる。

 意外とこんなところにもあるなんてあるからな……。


 フニュッ!


 柔らかい……。

「……」

 友利の胸に当たってしまった。

「あっ……悪い」

「ん、ほいよ。ミミ大人しくね〜?」

 そのまま友利はミミの手をギュッと握っていた。

「……」

 そのままミミの腕を撫で探すと草の実がくっついていた。

 切るか。

 草の実がくっついているところを切り取ってあげた。

「ニャー!」

「ん? わぁっ!」

 ミミがいきなり暴れまくり扉の方にスタスタ歩いていく。

「あぁっミミ〜!」

 友利が去っていくミミの方に涙を流していた。

「ミミっ〜〜! うぅ……」

 そのままミミが外の方に行きたいというのはわかっているから玄関の方まで友利と一緒に降りていた。

 やっぱり玄関の方でミミが座り込んでこっちを見ていた。

 友利が玄関のドアを開けてミミを外に出した。

「じゃあねミミ。入りたくなったらにゃーって声をかけるんだよ」

「ニャーー」

 尻尾を立てながら嬉しそうに思いっきり外の方へと飛び出していった。

「じゃあにゃ。だって」

「そう言ってたんかにゃ?」

「んにゃー」

 友利が俺の腕にしがみついてきた。

「早く戻ってゴロゴロしよにゃ〜」

「……はいにゃ」

 そして友利と一緒に俺の部屋に上がっていき。俺はゲームする定位置のところに座ると友利がくっついてきた。

「ん?」

「……ん? えへへ」

 友利がこっちを見てきた後、俺の腕と手を遊び始めてきた。

「……」

 コントローラーを片手で握りしめてたけど。片手ではやりづらくコントローラーを床に置いて友利の遊び相手になった。

「……」

「〜〜♪ 〜〜♪」

 手の平を押されたり指を握って上下に揺すったりしてきて彼女の方をみると楽しそうに遊んでいた。

「楽しいの?」

「うん楽しいよ。圭介の手を沢山触れるから。ミミの手もフワフワで好きだけど圭介の手もあったかくて好きー」

「お、おぉ……」

 好きと言われて嬉しかった。

「……」

 本当は実際のところ友利のことは好きではある。もちろん恋人ととして側に居たいという気持ちだ。

 だけど告白となると躊躇ってしまい。……異性として見ているのではなく兄妹みたいな気持ちで見ている気持ちに落ち着かせてしまっている。

「……友利って好きって言うよな」

「好きな人には好きって言わないとかなって。友達とか漫画とかよく出るけど好きな人でも嫌いだって言ってたら相手が嫌な思いするなって、私は圭介とミミ両方大好きだから好きって言うよ」

「……ありがとうな」

「うん。ありがとうって言ってくれるのも圭介の良いところだよ」

「……友利って褒めてくれるから好きだよ」

「甘えたいから少し抱きつかせて」

 そのまま友利が手を回してきて抱きしめる形にたなった。

「あったかい」

「……まぁ生きてるからな」

「うん。そうだね……安心するなやっぱり」

「……友利って小さい頃から抱きつくよな」

「圭介のことが好きだからね……抱きつきたくなっちゃう。ミミのこともそうだけど圭介がいなかったらミミと一緒に居られなかったと思うし、圭介には勉強とか色々助けられているから圭介のこと好きだよ」

「……っ」

 耳元で好きだと言われ抱きつかれてる嬉しかった。

「俺も好きだよ友利」

「……うん。好き」

 そして彼女は小さく頷いていた。

 ……いつか友利に好きで彼女ととして側に居たいと伝えたい。……いつか恋人として好きだと。

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