第3話 道場破り

スカーフェイス @SCARFACE 一日前

エディ・アラムプロモーションのネルソン・フレジャーは格下の選手ばかりやってるみたいだが、俺とやってみる気はないかな?

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初めてみたが、ジムの仲間がリツイートやイイネボタンを、やってこの様だ。

対して、送り先のネルソンは、万単位でイイネやリツイート、コメントが送られている。

完璧に無視されてるし、どうしたら、相手にしてもらえるだろうか…炎上騒ぎにして…いやいや、短期的に注目を集めてもダメだ。

元々、ネルソン・フレジャーは向こうのスター選手で俺みたいな、無名の選手とは絡みようがないのは、分かっていた。

それなら道場破りを敢行したらいいじゃないか。

相手のジムに殴り込み、そこでネルソンは無理でも、向こうの選手に勝てばそれなりに、注目も浴びれるはず、注目された先には、ネルソンなり、別の注目選手と戦えるはずだ。

ダマトのおっさんがいたので、その旨を伝えると心配そうに「大丈夫か?1人でいくみたいだが… 」と言われた。

だが、やるからには、早いほうがいい!

俺は、ジムの駐車場に停めていたバイクに跨り、向こうのジムへ行くことにした。


※※※


着いたのは、エディ・アラムプロモーションに所属してるネルソン・フレジャーがいるジムだ。

イングルジムという所で、エディ・アラムプロモーション以外の選手もいる。

俺は、道場破りをやってみた。


「たのもー、誰か俺の挑戦を受ける気はないかい?ただとは、いわん、俺に勝ったら報酬を渡す、どうだ、やる気あるやつはおらんかー!?」


俺が挑発すると、早速、反応するやつが現れる。


「俺とやろうぜ、道場破り屋さんよ」


体格は、同じミドル級ぐらいだな。


「俺はスカーフェイス、あんたは?」


「アンソニー・グラシアだ、勝ったら報酬は、いくらぐらい貰えるんだ?雀の涙なら悪いが門前払いだぜ」


「安心しろよ、500万ドリーある、結構あるだろ、どうだやる気になってくれるか」


俺が示した金額に、目を輝かせたアンソニーは、勇み足でリングへ向かい、俺にも上がってこいと腕をクイクイと手招きをする。

自信があるわけだが、そう簡単に金を手中に収めれるかな?

俺もリングシューズに履き替え、ジムに足を踏み入れると、周りの視線を感じる。

やはり、大金もった挑戦者がいきなり現れたら、注目は浴びるもんだと、ひしひし感じた。

グローブを着けて、リングに上がると、アンソニーからヘッドギアは着けないのかと言われるが、断った。

正直、負ける気がしない。


「おおっと、そうだ、グローブはめてるところ悪いんだが、誓約書書いてくれよ」


二度手間だなと思いつつも、片方のグローブを脱ぎ、誓約書にサインした。

内容は、怪我などしても責任は取らないとの趣旨だが、俺には関係ないことだ。

何故なら、からな。

再び、グローブを着け、待った。

アンソニーもグローブをはめて、ゴングが鳴る。

俺は前に、出て早急にスマッシュ気味の左アッパーを繰り出すも、アンソニーは、距離を縮め互いにクリンチにもつれ込むも、クリンチを解き、完璧な一打が出た。

クリンチを解いて距離を保ったまま、脱力を出来たまま繰り出されるその一撃、ボラードは、相手の顎に鋭く刺さった。

あの時の試合に比べ、体調がいいのか身体が、自分の思いどうりに動く。

アンソニーは、呆然としていた。

思った以上の衝撃で足腰がおぼつかず、見かねた他のジム生の肩を借りて立ち上がる。


「あんたの勝ちだ、スカーフェイス…まさかこの間デビューしたての奴にやられるとはな」


「俺の事を知っていたいたのか!?」


「知ってるとも、なんなら他のジムに行ってみるといい、出生不明の謎のボクサーが勝ったって噂ぐらいみんな耳に入ってるはずだぜ、しかし、何故こんな道場破りみたいなことをやっているんだ?」


その質問には答えるか、迷った。

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