六の後の六

然が、近づいてきて、小声で俺に言った。


然「闘。この回、訳あって1点わざと取られようと思います。点を取られても、作戦なので、動揺しないで下さい」


闘「大丈夫かよ。それで勝てるんだろうな?」


然「まかせて下さい!」


4番バッター タイガー


タイガー「今度こそ打ってやるぞ!」


然「どうぞ!」


解説者「ピッチャー、第一球投げました!」


カキーン


解説者「これは、ライト前に落ちそうだ!…」


ライトのロボットはボールを捕り損ね、落球したボールをセンターがカバーし、ランナーは2塁まで行けず、戻った。


解説者「惜しくも、2ベースヒットにはなりませんでしたが、この試合初のヒットにより、ノーアウトランナー1塁となりました」


タイガー「ハハハ…俺の実力を見せればこんなもんよ」


審判「次のバッター、早く打席へ!」


タイガー「うるさいな、審判!今、行くよ!!」


5番バッター タイガー


タイガー「今度も初球から打ってやるぞ!」


解説者「ピッチャー、第一球投げました!」


カキーン


解説者「むむっ!また、ライト方向に打球が飛んだぞ!」


先ほどと同様にライトのロボットがエラーし、センターのロボットがフォローしたが、ランナー1、2塁となってしまった。



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