白紙のアルバム

 最初から、ひとりきりで良かったのに。


「私○○って言うの。あなたは?」


 知らない土地、知らない人。

 私は誰とも関わる気なんてなかったのに、差し出された手をつい握ってしまった。


「……私は△△です」


 卒業式。皆が互いのアルバムに寄せ書きを書く中、あなたは私のそばに来なかった。

 残酷な優しさね。

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