おめでとうも、さよならも言えない門出 ※

「人って、意外と他人に無関心だよ」


 駅のホームの雑踏の中、キャリーバッグ片手に君は僕にそう告げた。

 君は見送る僕に温度の無い笑みを向ける。


「でもね、例外があるの。見てて」


 群衆がざわめき出す。電車の急ブレーキ音が響く。

 君の例外説は立証された。でもさ、見送る僕の気持ちにもなってくれ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る