第7話 呼び出しと真相

”こうじくん”を知っている人はいませんか?

聞いたことある、知っている、という人は以下のTwitterまで DMください。

アカウント名:野菜(こうじくん)

アカウントID:yasaiyasaihara

よろしくお願いします。


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先日、”A地区”の住民に電話で”こうじくん”について尋ねた件について大学から呼び出されました。

話すことなく電話を切られた12軒目の方が大学に苦情の電話をかけてきたようです。


大学職員の方に、経緯を説明し、録音していた音声を聞いていただいた結果、苦情を寄せた方の家に謝罪に行くことを条件に処分を免れました。


怖いので謝罪に行きたくないですが、とりあえず退学・停学にはならなくてすみそうです。

よかったです。


ヒヤヒヤした一方、いいこともありました。


大学用メールアドレスにある人からメールが届いていました。

メール本文を記載します。


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〇〇(野菜の本名)様


突然メールを送ってごめんなさい。


〇〇大学(野菜と同じ大学)の〇〇といいます。


この前、うちに電話されたと思うんですけど、実は自分同じ大学だったので、連絡してみました。


大学のお知らせを見たら授業の履修者一覧に名前と学籍番号が書いてあったのでメールを送りました。


”こうじくん”について電話で聞かれた後に、親に聞いたら知っているみたいで、詳しく聞いたのでよかったら聞きますか?


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先日電話した8軒目の人が連絡してきたようです。


私の通っている大学の大学生徒用メールアドレスは”(入学年度)+(学籍番号)@(学部).ac.jp”で構成されているため、学籍番号さえ分かれば個人にメールできるようになっています。


個人情報的にどうかと思いますが、この方法を活用してメールを送ってきたようです。


”こうじくん”についての情報が聞けるということで気になるので、会ってみることにしました。

一応何があってもいいように人が多いカフェで話を聞きました。


今後はわかりやすいように”Bくん”と記載します。


Bくんは実家から大学に通っているようで、電話した時にも実家にいたので、親の代わりに電話を取ったようです。


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Bくん:

こんにちは。

メール返してくれてありがとうございます。


野菜:

いやいや、こちらこそありがとうございます。

電話では、”こうじくん”について知らないって話だったんですけどわかったんですね。


Bくん:

そうなんですよ。

電話の時に親に「”こうじくん”について調べてるっていう電話来てるんだけど知ってる?」って聞いたら嫌な顔をして「知らないって言いなさい」って言われたんで、知らないって言ったんですよ。

すみません。


野菜:

全然大丈夫ですよ。

実は親は知ってたみたいな感じなんですか?


Bくん:

そうです!

嫌な顔してたんで、後で「”こうじくん”ってなに?」って聞いたら、「あんたには言ってなかったね、もう20歳も超えたし話しとかなきゃだよね」と言って話してくれたんですよ。


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Bくんはここから親から聞いた”こうじくん”について話してくれました。


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”こうじくん”っていうのは、前に”A地区”で祀ってた神様みたいなやつらしいんですよ。


”こうじくん”はその時代のザ・子供!みたいな格好をしてて、今は赤いランドセルにTシャツらしいんですけど何十年も前は赤い着物とかだったみたいです。

格好に赤は絶対に入ってるって言ってました。


そして、”こうじくん”は、あだ名?みたいなやつらしくて本当の名前は、口に出しちゃいけないらしいんですよ。


本当の名前を言っちゃいけないから、見た目が子供なのと、元の名前をもじって”こうじくん”ってしてるみたいです。


でも、書いて見せたりするのはいいらしくて親は本当の名前を書いて教えてくれて。

こういう名前らしいんですけど。


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そう言うとBくんは、紙に文字を書き始めました。


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”こうし様”


これらしいです。



それで、これは、生き物を生贄にすると、願いを一つ叶えてくれる神様らしくて、お祭りの時に、代表者が生贄を捧げて願いを叶えてもらってたらしいんですよ。


なんで本当の名前がこれなのかは、みんな知らないらしくて、多分子供の牛が生贄にされてたことが多かったからじゃないか、らしいです。


”こうじくん”はマジで願いを叶えてくれるらしくてだから”A地区”は金持ちとか芸能人とか多いんだ!って言ってました。


そして、一部の金持ちとかに、”A地区”に住む権利とかをめっちゃ高いお金で売って、何年か住むと、代表者になれて願いを叶えられるようにしてたみたいです。


初めは祭りが何年かに一回くらいだったらしいんですけど、願い叶えたい人とかが増えて、段々一年に一回とか何ヶ月に一回とか短くなってきたみたいです。


そして、”こうじくん”は、どこかに行かないように憑代(よりしろ)っていう箱に封印されてて、憑代は代表者が生贄を捧げるまで管理する。って言う決まりだったらしいです。


でも、”A地区”に越してきて代表者に選ばれたやつが、憑代を雑に扱って壊しちゃったみたいで、”こうじくん”を”A地区”に封印できなくなって祭りも無くなったみたいです。


その時期の後には人がマジでいなくなったんですけどね。


憑代自体はなんかすごいお坊さんが昔に作ったやつらしいので、もう作れないみたいです。


”こうじくん”がいなくなって、その何ヶ月後かに、別の町で”こうじくん”の目撃情報があったらしくて、そこから、村の人とか関係者がいろんな街で”こうじくん”が出ないか監視して、見つけた人が願いを叶えてもらってるらしいです。


そしてその情報を不審者情報サイトに載せることで情報共有してるんですけど不審者情報サイトにしてるのはLINEとかは運営に見られるから送れないからっ言ってました。


あとですね、”A地区”にいた人の中には、”こうじくん”を怖がってる人もいるらしくて、そういう人は、”こうじくん”に会いたくないからサイトを見て次の情報が更新されるまで、目撃のあった地区には近寄らないようにしてて、反対に願い叶えたい人は、生贄連れてその地区を練り歩いてるらしいです。


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”こうじくん”の本名と”A地区”との関連がわかりました。

そして、街に現れる”こうじくん”に生贄を捧げると、願いが叶うようです。


長くなったので、続きは明日記載します。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


野菜

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