6.友達とられました。
2018年:5月20日
はい、結論だけいうとモリちゃんが怪奇研究部に入部しました。嘘だと言って……。
さすがに我慢できなかったから入部理由をモリちゃんに聞いてみたのだが、どうやら彼女は三日前のデートの私と別れた帰り道の途中で、悪い怪物にひどいこと(意味深)をされそうになったらしい。
そこに颯爽登場してモリちゃんを助けたのが我らが主人公こと零矢だった、と。
なので怪奇現象への興味本位と彼への恩返しも兼ねて入部することにしたらしい。
お前、零矢、おまえ、ほんと……。
きっと止めても無駄だろうから入部に関してはそれ以上口は挟まなかったけど、少なくとも現時点では特別な能力もない一般人であるモリちゃんが危険に晒されるのは嫌だったので、良心をくすぐるような涙目と儚げな表情で『部活もいいけど……私とも一緒に帰ろう?』とモリちゃんには言っておいた。
モリちゃんは速攻で頷いて私を抱きしめてきた。おっぱいで窒息するかと思ったぜ。
私に彼女を守る力があるわけじゃないけど、そもそも零矢たちと一緒にいなければトラブルには巻き込まれないと考えている。
この前の遭遇は零矢との初対面イベントだったからに違いない。
毎日一緒にいることはできないけど、怪奇研究部にいる時間を少しでも削ることができれば……まぁ、何もしないよりはマシなはずだ。
私というモブ──モリちゃん的には友人Aである私の存在があれば、少なくともモリちゃんを『友人との約束があるから今日は部活に行けない』的な口実を使えるキャラにできる。
そんな感じで零矢のモリちゃんに対してのイベントを極力減らそう、という魂胆なのだ。
でも活動日に本当にヤバそうな事が起こったら、その時はしっかりモリちゃんを守ってくれよな、親友。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『へぇー、そんな強い能力で転生させてくれんのか。……あっ! 武器は日本刀を使いたいな!』
『なに、他にも特典でいろいろしてくれんの? ……死なせたお詫び、ねぇ。まぁオレはあんまり気にしてないけど』
『あっ。じゃあ三つくらい頼んでもいいかな? ──まじ!? やった! サンキュー!』
『まずはチート武器! 相手に当てればそいつの能力が消せる短剣とかナイフとか! できれば持ち運びできる大きさでな!』
『次は……うん。そうだな、こうしよう』
『アニメ一期の本編開始から二期の中盤あたりまで、原作主人公の凛条とヒロインの夜奈美──あの二人がお互いに接触できなくなるような呪いをかけてくれ!』
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