3.主人公でした。
2018年:4月2日
なんか世界が一気に物語染みてきた。
具体的に言うと、登校前に見たテレビで妙な怪奇現象がニュースになっていて、あと零矢が学校の屋上で謎の
詳細を書き記そう。
初登校日になぜか呼び出されて屋上へ赴くことになった零矢を待ち構えていたのは、羽の生えた人型の怪物と剣で鍔迫り合いをしている青い髪の少女だった。
なんだか少女が若干劣勢で、居ても立っても居られなくなった零矢が飛び込むとあら不思議。
零矢の体がピカーって光ったと思ったら、なんと零矢の右腕に突如出現したカッコよさげなガントレットが装着されたではありませんか。
事態が飲み込み切れていないなりに頑張る零矢と謎の少女の連携で、怪物は敗北。
なんか塵みたいに霧散して死んじゃったとさ。個人的には派手に爆発してもらいたかった気もする。
あとの事は知らん。
屋上のドアからこっそり覗いてたけど、巻き込まれるのが怖くて怪物が死んだあとはすたこらさっさと逃げたので。
すまんな親友、私は臆病かつ一般人なんだ。
……というか、もしかして零矢って何かの主人公とかだったのかな。
★ ★
2018年:4月5日
休みをまたいで改めて高校へ通う今日、登校中に校門前で零矢と件の少女を見かけた。
何やらおいしいラッキースケベ的なハプニングがあったらしく、少女が顔を赤らめて零矢がめちゃ焦ってた。
風が強い日だったし、おそらくイタズラな風くんに吹かれた少女のスカートの中身でも見てしまったのだろう。
親友の私のパンツですら見えそうになるとかなり焦る初心な零矢のことなので、きっと今回はかなり肝の冷える思いをしたのではなかろうか。
私と零矢は別々のクラスだったので、昼休みは一緒に初の学食に誘おうとわざわざクラスへ赴いたのだが、彼は居なかった。多分あの少女とどこかでストーリーチックなお話でもしていたのだろう。
ちなみに零矢に会えなかったおかげというか、私一人で学食へ向かったことで、とある女子生徒に声をかけられて、割と話が合ったので友達になった。
学校中でちらほら見受けられる赤とか金とか派手な髪色の女子がいるなかで、彼女は黒髪黒目のザ・普通といった容姿だったため、謎の親近感も沸いて打ち解けるのは早かったと思う。
名前は
ついでに俺のことも愛称で呼んでもらうことに。
『おぉー! じゃあ縮めて
と言われたのでカービィになった。
なんか既視感しかない名前だったけど、モリちゃんが気に入ったみたいなのでそのままにしたポヨ。
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