『AI技術時代の藝術』エッセイ(『九頭龍一鬼はかく語りき』特別篇)

九頭龍一鬼(くずりゅう かずき)

第一章「AI技術時代間近の小説」

 輓近、Chat GPTやBing AIなどの人工知能アプリの普及によって、イラスト、絵画、小説、論文などの範疇で、AIに依存した作品を容赦するべきかという問題が各界隈を席捲していることは読者諸賢、御存知のとおりかとおもう。


 かくいう愚生自身も、最近、Bing AIを使用しはじめて、愚作へのアドバイスや、新作のプロット作りのアイデアなどをもらっている。


 実際に、Kindle書籍(KDP)界隈では、すでに、Chat GPTだけに執筆させた作品がアンリミテッドで公開されているので、此方も瀏覧してみた。


 正直なところ、この作品はまだ、小説というよりも、梗概にちかいレベルであり、新人賞に応募されている方々が脅威におもうほどの出来ではなかった。


 といえども、愚生の個人的意見としては、これらのAIが普及してから一年足らずで、此処まで進化したのならば、数年単位で、ホメロスやシェイクスピアレベルの文章を、また、十年くらいの進捗を閲すれば、ダンテの数学的叙事詩や、ジョイスの実験文學巨編レベルの作品を、数秒から数分間で完成させるくらいにはなるのではないかとおもう。


 いわゆる、カーツワイルの収穫加速の法則である。


 おそらくだが、饒談ではなく、将来的には、Chat GPTかBing AI、あるいは新型のAIがノーベル文學賞を受賞する可能性も低くはないとおもわれる。


 其処で、『過去を識るものは未来を識る』ではないが、過去の歴史や文献をたどって、この現状を考覈してみたいとおもう。


 ――つづく

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