プリティソウル

ねくろん@カクヨム

プロローグババア

 ああそうかい……


 プチプリティよ……


 それはあんたに刻まれた刻印だよ……


 あんたはキャンディリングを求めるのさ……


 ふかふかのマカロンの森、チョコレートのながれる沼を抜けた先。

 琥珀色のアメ色をした霧に囲まれた大地。


 そうさ、此処と彼方の間の地、キャンディリングの眠る、お菓子の地でね……。


 アンタは何度でも地にふせ、砂糖に埋まるだろう。


 そのうち未来も、過去も、そして自分自身も忘れてしまうだろうさ。


 お前さんは弱弱しいほどに小さく愛らしいモノになるだろう。


 ただ、お菓子と、チャルメラを貪るかわいい獣にね。


 アンタはもう知っているだろう。


 いや、知らなくてもいいのさ。


 アンタは門の前に立つだろう。


 何度も、何度も、それがアンタの運命さ……。


 プチプリティ。アンタの運命さ……。

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