第347話 話し合いは中止

「クロエ王女、本日の話し合いは中止になりました。」

兵士が予定していた話し合いの場が中止になったと伝えに来る。


「えっ?なぜ?」

「こちらにも事情があるのです、そもそもそちらの従者が侵入したせいでもあるのです、交渉が打ち切りにならないだけでも感謝すべきでは?」

「そうですね、打ち切りにはなっていないと言うことですね?」

「そうです。」

「それならゴウさんに面会は叶いませんか?」

「ゴウ様も取り込み中です、今は大事な時でしょう、これ以上、我々魔族を刺激するような事は控えてもらえますか?」

「失礼しました、ゴウさんは魔族の方からしてもVIPなのでしたね。」

「そうです、我々とゴウ様の関係構築の大事な時なのです、貴方がたを滅ぼさないのもゴウ様に配慮しての事だと重々理解してください。」

「わかっております、ゴウさんに会える機会が出来れば会いたいとご連絡してもらえませんか?」

「約束は出来ない、全ては上の判断になる。」

「それで構いません、確認だけお願いします。」

クロエは強く要求はしない、ローズの件もあるのだ、これ以上印象を悪くするのは得策では無い、そもそもゴウが求めているのならこちらから無理に連絡をしなくてもゴウから接触を持ってくる筈なのである。


「交渉が無いなら今一度お風呂に入っていつ呼びれてもいいようにしておくべきよね。」

クロエは風呂に入る事にする、ここには使者にあてがう部屋とは思えないぐらいの風呂場と高水準の美容液が揃っており、ローズが仕入れてきた情報と合わせれば、呼ばれるまで綺麗にしておけというゴウのメッセージとも取れる


クロエは風呂に入り、今一度条件について検討し始める。

「私がゴウさんの側室に入る事と引き換えに何を求めれるか・・・

たしかに魔王の娘も側に控えているようだから、ゴウさんを通して縁戚ということになるのですね。

この辺りは貴族が騒ぎそうですが・・・

メリットを示せれば今の状況なら何とかなるでしょう、それより魔族は何処まで引いてくれるか・・・」

クロエはゴウと繋がった時にもたらされる影響について検討し始めるのであった。

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