第123話 ジョージア王国の方針
「ラニアン王国に援軍か・・・」
クロエからの申し出にクルトは頭を抱える、ゴウの後押しでやってきたクロエを蔑ろにする行為はゴウの顔を潰すことになる。
現在ゴウに対してクルト達ジョージア王国は王国からの要請で密売が開始されたという引け目もあり、ゴウからの後押しされた者を無下には出来ない。
「陛下、まずは調査団を派遣という形で1部隊を送り、戦況を確認するのは如何かと。
ゴウ殿も向こうの状況を直接確認していないとの事、あまりに悪い戦況なら無理強いする事はありますまい。」
「なるほど、たしかに何もわからぬ状態で軍を送ることは難しいであろう、一度確認する事は何もおかしな事ではない。」
軍を動かすには多大な軍費がかかる、それに戦になれば多くの兵士の命もかかるのだ、ジョージア王国としても勝算の無い戦に参戦することは出来ない、表向きの理由を作り、如何に損害が少なくて済むかを検討していた。
「お父様、ゴウ様がまた王都を出ていかれました。」
アリサはホテルのスパに行った時にゴウが出かけたことを聞きつけ急ぎクルトの下に駆けつけていた。
「な、なんだと、ゴウはそれほど不満を溜めていたのか?」
「どうやら、ラニアン王国に渡海の準備を行う為、ポメの町に向かうそうです。
駅にいる者の話によるとすぐに戻って来るそうですが・・・」
「それまでに調査団の準備を終わらせておく必要がありそうだな、すぐに人選を急げ、ゴウ殿と諍いがあるように見られてはならない。」
民に古の魔法使いは広く慕われているのだ、今現れたゴウを古の魔法使いとして歓迎している者は多い、王家と諍いがあるなどと思われれば国内に混乱が起きかねない。
「アリサ、ゴウが戻ってきたら調査団の管理という名目でゴウに同行を願うのだ。」
「なるほど、ゴウ様の懐に入り親しくなれとの事ですね。」
「そうだ、王家としては古の魔法使いを血脈に取り入れたい、そのように行動致せ。」
「かしこまりました、調査団の方々は人格でお選びいただけるようにお願いします。」
「わかっている、これ以上ゴウとの仲を悪化させる訳にはいかないからな。」
クルトは人選を行いルート子爵を調査団の団長に任じ、部隊の編成を行わせる。
いつでもゴウが戻って来たら出発出来るように準備は整えられていた。
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