第98話 侍ガール
那覇ダンジョン 1階層
「して、お前さんらはどんなスキルを使うんじゃ?それによって戦い方も変わってくるからのう。」
あの後パーティを結成した俺たちは一度解散し、後日ダンジョンへ潜る事となった。
そして現在、ダンジョンの1階層にて戦闘時の立ち回りについて話し合っている。
「俺は主に毒を付与するスキルを使います。後は召喚系が数種類に耐性スキルといった感じです。」
「私は炎系統のスキルを数種類持っています。主に遠距離が得意で近距離戦は少し苦手です。」
「ふむ…なるほど。西園寺の娘が近距離アタッカーだから……儂は今回、遠距離寄りの中距離型で行かせて貰うぞ。近距離ばかりじゃこの子の負担が大きいからの。」
確かにこのパーティには遠距離が得意な魔法スキル持ちが金城さんしかいない。
だが、中距離型で行かせて貰うとは……?
虎吉さんがなんでも出来るオールラウンドプレイヤーだというのは有名だが、パーティに合わせて戦闘スタイルを変更しているのか?
だとしたら、一体どんなステータスをしているんだ。
「1階層程度の敵、相手にならんと思うが各々の戦い方を見るには丁度いい。
臨時パーティはお互いに連携などは意識せず、好きなように立ち回り邪魔にならない戦い方をした方が良い。」
見渡しのいい平原で各々が戦い始めた。
自身の敵を倒しながら、他のメンバーの戦い方も観察する。
今、特に観察すべきなのはトップランカーの2人だ。
着物の様な防具に身を包み、腰に下げた二振りの刀の内、一刀を使い次々と魔獣を切り捨てていく。
西園寺さんは魔法を一切使っていない…
というより、スキルを使っている様にも見えないな。純粋な剣術だけで倒している。
虎吉さんの口ぶりからしても彼女は前衛っぽかったし、素早い動きとあの剣術が彼女が得意とする戦い方か。
身の丈ほどある大きな斧を背負い魔獣と対峙する虎吉。
斧を振り抜くと衝撃波が発生し一撃で魔獣の群れを一掃した。
虎吉さんのメインウェポンはあの大斧か。
あれほどの大きさを振るうなんてどんな筋肉をしてるんだか。
それに中距離型の戦いをすると言った以上、まだ何か別のスキルを隠しているに違いない。
魔獣を倒し終えた4人は再び集合する。
「まあ、おおかたお互いの戦闘スタイルは理解したじゃろ。全員実力は申し分ない。
魔人が出てきた際は出来るだけ分断されない様に気をつけるんじゃぞ。」
「前回、私たちは罠を仕掛けられてそれに引っ掛かり分断されました。それに敵はダンジョン内を自由に動き回れるみたいなので気をつけて下さい。」
ダンジョン内を自由に動き回れるあの力、恐らく魔人特有の力だろう。
「今回の目的地は俺たちが魔人と戦った5階層って事で間違いないですか?」
「そうじゃのう。儂らは手掛かりが欲しい。
何か魔人に繋がるものを見つける事が出来ればいいんじゃが…」
魔人に繋がるもの…か。
奴らにも拠点がある筈だ。
そこを見つける事が出来れば、こちらから攻めに回れるのに…
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