第80話 人海戦術?
那覇ダンジョン??階層
下層へと落ちていった明美が目を覚ますと先に起きていた茉央が周囲を調べている。2人が落ちた場所は洞窟のような構図になっており、幾つもの通路に分かれていた。
「あ、目を覚ましたんですね。よかった〜。」
「此処は…?」
「どうやらトラップに引っかかってしまったみたいですね。此処が何階層なのかは分かりませんが、私に見覚えがないという事は6階層以降かと…」
茉央は5階層までなら行った事があるが5階層はビーチのようなエリアになっていて、洞窟などは見た事がない。
「6階層以降ですか…厳しいですね。」
「その辺にいる魔獣程度なら何とかなるかも知れませんが、変異種やボス相手にはどうしようもないですね。草介さんの助けを待つしかありません。」
「あの人が本当に助けに来ると思いますか?何階層にいるのかもわからないのに…この場合、一人で救出に来るよりギルドに戻って捜索依頼を出すのが普通です。ですが今、那覇ダンジョンで一番の実力者と言われているのは金城さんです。助けに来る人がいるとは思えませんが…」
ダンジョン内で何処にいるかもわからない相手を探すのは不可能に等しい。【感知】のスキルを駆使すれば見つけられない事は途方もない時間がかかる。
「草介さんなら来てくれますよ。絶対に。それより、私たちも上層を目指して進みましょうか。上に行けば合流できる確率も上がるので。」
「そうですね。迷った時はその場から動かない方がいいとも言いますが、こんな下層に来てしまってはそれも意味がないでしょう。自力での脱出も考慮すべきかも知れませんね。」
二人は何処に向かっているのかもわからないまま先へと進んだ。
那覇ダンジョン4階層
「このダンジョン少し変だな…」
2人と逸れた草介は下層へと行く為にボス部屋へと急いでいた。場所がわからない為、【超加速】を駆使し手当たり次第に探し回っているが魔獣の気配がまるでない。
2人が落ちた時もそうだったがあれは本当にダンジョントラップだったのか?通常なら触れた瞬間に作動する筈なのだが、さっきのはオークの力が加わり足元が崩れて落ちた感じだった。誰かが罠を仕込んでいたのか?一体何の目的で……
人の手が介入しているなら近くに犯人がいる筈だ。ダンジョンの壁などに対する攻撃は時間の経過と共に自動修復される。そうでなければダンジョンは今頃穴だらけだ。
2人がどの階層に居るのかわからないが人工的に穴を開けたとするならばそこまで下には落ちてない筈だ。せいぜい1〜2階層が限界。早急に下層へ行く必要がある。その上で犯人を探す為、ダンジョン内を隈なく捜索するには……アレを使うか。
「【五毒大帝】
「犯人を探せ。見つけ次第知らせに戻って来いよ。」
ムカデがダンジョン中に散らばって行く。
1体ずつは弱いが探すくらいは出来るだろう。ムカデの方が蜘蛛より動きが素早いので捜索には向いている。
「さてと…捜索はアイツらに任せて俺はボスでも倒しますか。」
草介の視線の先には炎を纏った黒い巨狼がこちらを見ていた。
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