第65話 慕ってくれる後輩なんて早々いない
氷華がガルーダ目掛けて脇目も振らず突進する。目の前に魔獣が立ち塞がるがスピードが劣える様子もない。
「氷華さんの邪魔はさせません。」
「【属性付与:光】
矢が魔力を纏い、光り輝くと上空で分裂し氷華の前にいる魔獣を正確に撃退して行く。
レベル:37
スキルポイント:18
装備:【狩人の衣】【光輪の弓】
【隠遁の指輪】
攻撃力:288+150=438
耐久力:68+30=98
敏捷力:588+246=834
魔力 :57+20=77
●スキル
【状態異常耐性Ⅰ】【超探知】【隠密】【潜伏】【統合】【弓術Ⅶ】【連射】
【属性付与:光】【
「ナイス、伸晃。」
前方の敵がいなくなった事で、さらに加速し一気に距離を縮めようとする。
しかし、両脇に獣型の魔獣が並んでおり、炎を吐く準備をしていた。
「これはヤバいかも…
「氷華先輩のご命令とあらば!」
明美と呼ばれたローブ姿の少女はメイスを大地に叩きつける。大地に魔力が流れ込み、一気に氷華の元へと辿り着くと両脇に土壁が展開された。
「【
壁は魔獣のブレスを完全に塞ぎ切る。
「氷華先輩には指一本触れさせませんよ。私の許可なく触れようとする奴は……皆殺しです。」
土壁が崩れ、新たな形へと生まれ変わる。
「【
巨人のような体躯をした土人形が魔獣たちを蹂躙する。
「氷華先輩!使って下さい!」
再度メイスを振り下ろすとトンネルのようなものができ、氷華からガルーダまで続いている。
「明美、ありがとう。」
氷華は明美にウインクすると先へ進む。
「キャー!!氷華先輩にウインクされちゃった!……なに?今いい気分だったんだけど…邪魔しないで貰えるかなぁ!」
接近していた魔獣に荒々しくメイスを振り下ろした。
レベル:35
スキルポイント:26
装備:【豊穣のローブ】【魔強の指輪】
【ロックスターメイス】
攻撃力:168+176=344
耐久力:287+102=389
敏捷力:102+20=122
魔力 :469+207=676
●スキル
【統合】【感知】【自動回復】【
【
「これを抜ければガルーダの元に辿り着く。」
トンネルを走る氷華。あと僅かで外に出られる。そんな時、出口から数体のオーガがトンネル内に侵入して来た。
「明美め、逃したな。全く詰めが甘いんだから。」
走りながら剣を抜く。
「邪魔、【氷帝】」
突きを放つと剣先から氷が現れる。
氷はオーガを覆い込み、一瞬で全身を凍りつかせる。
「全く、草介が勝手に切り込むからこんな面倒なことに……一人で大丈夫かな?」
トンネルを抜けると、九頭の蛇に絡め取られたガルーダの姿が目に映った。
屋根の上にいた人間が、氷華へと声をかける。
「遅かったな。」
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