道具屋ココの雑記帳
叢雲ルカ
序章 チート能力なんかない。ただの道具屋の女の子
青の国。
そこの一角で元気に働く、評判のいい道具屋の女性がいた。
名前はココ。
美しい女性と言うより可愛らしい女性と言った方がいい。
本作の主人公だ。
その、ココは今、カフェで親友とお茶している。
「えっ、エマ。赤の国に行っちゃうの!」
ココが驚く。
隣にいるのは、ココの親友で幼なじみのエマだ。
「うん。白の国じゃ、なにかと、人間関係が面倒で」
「心機一転ってこと?」
「うん」
「よく、ご両親が了承したわね。赤の国って、貧乏国家でしょう? ドラゴン倒されて、国王代わったとは言え、治安問題とか、生活不自由すると思うのよ」
「そこは大丈夫。ちゃんと、プレゼンしたから」
「どうやって?」
ココはプレゼンの内容を質問して、後悔した。
目を輝かせたエマのマシンガントークが炸裂したからだ。
「つ、つまり、国家立て直しの仕事なんて、滅多にできないから、体験したいと、そう、説得したの?」
「はい。これも、何かの縁かと思って、そしたら、両親は感動して、認めてくれたの」
「そりゃ、あの両親なら、泣きながら許すか」
ココはエマの両親が、とても出来た聖人だったのを思い出す。
「それでいつ旅立つの?」
「明日」
「明日! 随分、急ね」
「善は急げで、受け入れ募集に応募したら、二つ返事で採用されて、なるべくなら、早く来て欲しいらしいから」
「そっか、そうなると、しばらく、青の国に来ないね。馬車の運行本数少ないし」
エマが泊まりで青の国に来た理由でもあった。
「それも大丈夫。なんでも、もうすぐ、馬車の本数が増えるらしいから、返って白の国から通うより、通い易くなるよ」
「なんで?」
「さあ、国の立て直しに必要だから、国王が説得したとか」
「凄い王ね。アオシ王を説得したってことでしょう?」
「そうなの。どうやって、説得したのか分からないけど」
それこそ、エマの両親を説得するより、難易度は格段に高い。
が、ココの知らないチート能力で、アオシ王を軽く倒した事実があることを、今のココは知らない。
「ちなみに、新しい国王ってどんな人か知ってるの?」
「分からない。採用したのトシさんと言う補佐の人だったから」
「謎か、ちょっと会ってみたいかも、その内遊びに行くね」
「はい。待ってます」
こうして、エマは赤の国に行ったのだった。
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